コーダ (坂本龍一のアルバム)

アルバム『コーダ』の概要

坂本龍一によるセルフカバーアルバム『コーダ』は、1983年12月10日にリリースされました。このアルバムには、坂本が出演した映画『戦場のメリークリスマス』のサウンドトラックに関する楽曲が収められています。特に、同年5月1日に公開された映画の音楽をピアノで演奏したものがベースとなっています。

アルバムの背景

『コーダ』は、元々カセットブックの形式で「Avec Piano」というタイトルで販売されていました。しかし、レコード化される段階で、「Japan」と「Coda」の2曲が新たに加えられ、より充実した内容になりました。アルバムタイトルの「Coda」は、音楽用語で「終結部」という意味を持ち、同時に『戦場のメリークリスマス』の物語がこれで一区切りつくことを示しています。

収録楽曲の紹介

本アルバムには多様な楽曲が収録されており、その大部分は坂本自身が作曲・編曲を手掛けています。ただし、曲の一つ「Germination」はスティーブン・マッカーディによるものです。以下に収められている楽曲のリストを紹介します。

1. Merry Christmas Mr. Lawrence (4:49)
- この楽曲は、坂本が20年以上後に聴いた際、「音がとてもクリアで洗練されている」と感想を述べています。彼は当時の演奏時と比べて、現在は以前のようには力強いタッチで鍵盤を叩けなくなったことを振り返っています。

2. Batavia バタビア (0:50)
3. Germination 発芽 (2:09)
4. A Hearty Breakfast 腹いっぱいの朝食 (1:18)
5. Before The War 闘いの前 (1:44)
6. The Seed And The Sower 種子と種を蒔く人 (3:55)
7. A Brief Encounter 短い出会い (2:27)
8. Ride Ride Ride (1:02)
9. The Fight (1:20)
10. Dismissed! / Assembly 出ていけ!/集合 (1:50)
11. Beyond Reason 理性を超えて (1:26)
12. Sowing The Seed 種を蒔く (1:31)
13. Last Regrets 最後の後悔 (2:05)
14. The Seed (1:06)
15. Japan (2:58)
- この曲のタイトルは、日本国自体を指しつつ、英バンド「Japan」を思わせるダブルミーニングが含まれています。2002年にリリースされた坂本のベストアルバム『US』にも収録したかった楽曲でしたが、収録時間の都合で割愛されました。
16. Coda 終章 (5:32)

アルバムの意義と影響

『コーダ』は、坂本龍一の音楽的な進化を示唆する作品であり、彼のキャリアにおいて重要な位置を占めています。また、映画『戦場のメリークリスマス』のテーマを再解釈し、ピアノによる感情豊かな表現を追求した結果、聴く人々に深い印象を与えました。

このアルバムは、坂本の独自の音楽スタイルや映画音楽の魅力を伝え、今も多くのファンに愛され続けています。特に、彼の情感豊かな演奏が楽曲に新しい息吹を吹き込んでおり、音楽の力を再認識させてくれます。

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