コーデー・ベルゲン美術館

コーデー・ベルゲン美術館：歴史と多様なコレクション

コーデー・ベルゲン美術館（KODE Kunstmuseene i Bergen）は、ノルウェーのベルゲンにある美術館群で、2006年に複数の美術館が統合して設立されました。その前身は1825年に誕生したベルゲン美術館に遡ります。政治家W.F.K. Christieと画家ヨハン・クリスチャン・ダールがコレクションの充実に大きく貢献しました。1878年には県立ベルゲン視覚芸術美術館が設立され、コレクションはそちらに移管されました。その後、1917年にラスムス・メイエル・コレクション、1971年にはステンセン・コレクションが寄贈され、1999年にはベルゲン美術館と改称しました。2003年にはLysverket館が新設され、常設展が開催されるようになりました。同時期に、ステンセン館は特別展専用のスペースとなりました。

一方、1887年には西ノルウェー工芸博物館が設立されました。1897年にPermanenten館が開館し、開館前から実業家らによる多くの寄贈を受け、その後も中国コレクション、シンガー・コレクション、銀宝物コレクションなどが追加され、収蔵品は35,000点を超えるまでになりました。

2006年には、ベルゲン美術館、西ノルウェー装飾美術館、そして作曲家オーレ・ブル、ハラール・セーヴェルー、エドヴァルド・グリーグの各博物館が統合され、ベルゲン美術館群となりました。2013年には、来館者にとって親しみやすい名称として「コーデー」と改名されました。

7つの館で構成されるコーデー

コーデーは、コーデー1から4までの4つの美術館と、3人の作曲家の記念館を合わせた計7つの館で構成されています。コーデー1から4まではベルゲン市街に位置しており、徒歩で巡ることができます。

コーデー1：Permanenten館

コーデー1は、旧西ノルウェー工芸博物館のPermanenten館で、1896年に開館しました。建築家はヘンリー・ブッチャーです。伝統工芸やデザインが展示され、ベルゲンで作られた600点もの金銀製品を含む銀器コレクションが有名です。2015年1月から改修のため閉館しており、それに伴い、銀宝物展や中国コレクションは現在、公開されていません。

コーデー2：ステンセン館

コーデー2は、旧ベルゲン美術館がステンセン・コレクションを収蔵するために1978年に開館したステンセン館です。建築家はスヴェーレ・リードです。大きな展示室では特別展が開催され、一部には常設展も行われています。

コーデー3

コーデー3は、旧ベルゲン美術館がラスムス・メイエルからの寄贈品を受け入れるために1924年に開館した建物です。建築家はオーレ・ランドマークです。エドヴァルド・ムンクの重要な作品を多数収蔵しており、そのほかにも、ヨハン・クリスチャン・ダール、ハリエット・バッケル、エーリック・ヴァーレンショルド、イェールハルド・ムンテといったノルウェーの画家の作品が展示されています。

コーデー4：Lysverket館

コーデー4は、1938年に電力会社の管理棟として建てられた建物を、2003年にベルゲン美術館のLysverket館として改修したものです。建築家はフレデリック・アルネセンとアーサー・ダーレ・カーブーです。地階には子供たちが美術体験を楽しめる子供美術館が設けられ、ノルウェーの人気画家、ニコライ・アストルプの作品も展示されています。1階と2階では、14世紀から近現代に至る幅広い作品が展示されています。

エドヴァルド・グリーグ博物館トロルハウゲン

トロルハウゲンは、作曲家エドヴァルド・グリーグが暮らした家で、1928年に博物館となりました。グリーグの家、墓地、コンサートホールなどで構成されています。

ハラール・セーヴェルー博物館シーリューステル

シーリューステルは、作曲家ハラール・セーヴェルーが暮らした家で、1997年4月17日、セーヴェルーの生誕100年に合わせて博物館として開館しました。

オーレ・ブル博物館リーショーエン

リーショーエンは、作曲家オーレ・ブルが暮らした島です。居宅は1974年にオーレ・ブルの子孫からベルゲンの歴史遺産保存協会に寄贈され、博物館として開館しました。

コーデーは、その多様なコレクションと歴史を通じて、ノルウェーの芸術と文化を深く理解できる場所です。各館が持つ独自の魅力と合わせて、ぜひ訪れてみてください。

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