コートレイ軍

コートレイ軍（Kawthoolei Army）

概要

コートレイ軍（KTLA）は、ビルマ語で「カワトゥーレイ軍精鋭」を意味し、カレン民族同盟から分派したカレン族の武装組織です。この軍は、カレン民族の防衛を目的としており、近年の政治的混乱の中で創設されました。

歴史的背景

2022年初頭、カレン民族同盟に属する村落防衛組織であるカレン民族防衛機構（KNDO）のリーダー、ネダミャが国軍のスパイの疑いで追放されたことがきっかけとなり、同年7月に新たな武装集団としてコートレイ軍を設立しました。ネダミャは当初、カレン民族同盟からの資金提供を受けていたものの、その後の活動が同団体と対立をもたらしました。この新たな武装組織は、カレン民族の独立と権利を守ることを目指しており、カレン民族同盟に対抗する動きが活発化しました。

2022年の設立から、コートレイ軍は複数の軍事団体と協力するようになり、特に国民防衛隊の部隊と連携を深めています。2023年2月には、コートレイ軍とカレン民族同盟の間で小規模な衝突が発生し、緊張が高まりました。

国境への影響

2023年4月には、コートレイ軍が国境警備隊の本部を攻撃しました。この攻撃により、10,000人以上の住民がタイに避難せざるを得なくなり、地域の安全保障状況が大きく揺らぎました。この動きは、カレン地域に住む人々の生活に直接的な影響を及ぼし、国境を越える避難者が急増しました。

行政組織の設立

2023年11月には、ネダミャを議長とするコートレイ政府が設立されます。この新たな政府は、14の局から成り、多岐にわたる業務を担当しています。

• - 内務局
• - 外務局
• - 国防局
• - 森林農業局
• - 畜産漁業局
• - 教育文化局
• - 法務局
• - 財務局
• - 鉱山局
• - 運輸国境局
• - 保健局
• - 宗教局
• - 組織局
• - 同盟局

これによって、より体系的な行政運営が行われるようになり、カレン民族の権益をさらに守るための基盤が整えられました。

人権問題

しかし、コートレイ軍の活動には人権侵害の疑いも浮上しています。2023年1月から8月にかけて、メルギーとタヴォイの地域で10人の村人が行方不明になる事件が発生しました。これらの事件において、KTLAや他の軍事組織が村人を拘束し、その後殺害したとの証言が寄せられています。

現在の状況

コートレイ軍は、今後も地域の民族解放運動において重要な役割を果たすと考えられており、その動向が注目されています。同時に、彼らの行動が周辺住民に及ぼす影響や人権問題についても引き続き監視が必要です。

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