コート＝ドール県

コート＝ドール県

コート＝ドール県（フランス語：Côte-d'Or）は、フランスの美しいブルゴーニュ＝フランシュ＝コンテ地域圏に位置しており、フランスを代表するワインの産地としても名高い県です。この県は、特にセーヌ川の源流が存在する地域としても知られています。

歴史

コート＝ドール県は、1790年3月4日に旧ブルゴーニュ州から分割されて形成されました。この県は、設立以来、旧ブルゴーニュ州との深い結びつきを維持しており、歴史的にも重要な役割を果たしてきました。

由来

コート＝ドールは、フランス語で「黄金の丘」という意味を持ち、フランスの県の中で唯一地理的な名称を持たない県名です。この名称は、1770年頃にディジョンの弁護士シャルル・アンドレ＝レミ・アルノーによって選定されました。彼は、秋になるとボーヌ近辺が金色のブドウ畑で覆われる情景に触発されてこの名を付けました。

地理

コート＝ドール県は、周囲にヨンヌ県、ニエーヴル県、ソーヌ＝エ＝ロワール県、ジュラ県、オート＝ソーヌ県、オーブ県、オート＝マルヌ県と接しています。この県は、ブルゴーニュ地域の入り口に位置し、主要な河川であるセーヌ川、ロワール川、ソーヌ川を含む多様な河川盆地を抱えています。特にセーヌ川の水源地はパリの飛び地となっています。地誌学的に見ると、県は4つの主要なエリアに区分され、モルヴァン山地、ラングル＝シャティヨネーズ台地、ソーヌ川平野、オーソワ地方があります。最高地点はモルヴァン山地にあるジアン山で、標高723メートル、最低地点はソーヌ川の出発点で174メートルです。

気候

この県の気候は大陸性で、ソーヌ川流域では特にその特徴が顕著です。モルヴァン山地では更に山岳性の影響を受けます。冬は長くて寒いため、霜が降りることもよくあります。また、県全体では夏は暑く乾燥し、冬には寒さと湿度が増し、降雪も頻繁に発生します。

経済

コート＝ドール県は交通網が発展しており、一般道や高速道路、鉄道、水上交通などが密接に結びついています。経済の約70%はサービス業が占めており、工業は25%、農業は5%です。代表的な産業には、公共工事関連の建設業や農産物加工、機械工業、金属加工などが含まれています。

統計

この県は広大な面積を有するものの、人口密度は低い傾向にあります。近郊農村では過疎化が進む一方で、県都ディジョンでは相対的に人口が増加し、国勢調査ごとに50万人を超える結果を残しています。

主なコミューン

コート＝ドール県の主なコミューンには、ディジョン、ボーヌ、リューマンなどが含まれます。

観光

この県は歴史的な遺産や美しい自然景観、さらに高評価のワイン産地として観光客に人気です。

ワイン

コート＝ドール県では、ブルゴーニュワインとして知られる高品質なワインが生産されています。特に、県庁所在地のディジョンに接するマルサネ・ラ・コート村から南に延びるコート・ド・ニュイ地区とコート・ド・ボーヌ地区は、ロマネ・コンティを始めとした世界的に高価なワインの産地として有名です。赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネを主成分としています。

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