コーナーショット

コーナーショット：隠密射撃を可能にする革新的な銃器

コーナーショットは、射撃手が完全に身を隠した状態から射撃できるよう設計された、画期的な銃器です。2000年代初頭、イスラエルにて、人質救出作戦やテロ対策を目的として、SWATチームや特殊部隊のニーズに応えるべく開発されました。その独特の構造と多様な機能は、現代の戦闘における隠密行動を大きく変革しました。

基本仕様と機能

基本モデルでは、セミオートマチック拳銃を前方部に装着します。後部には無線技術を用いたトリガーシステムがあり、後方から操作することで射撃が可能。トリガーの操作力は21ニュートン、全長82cm、重量は3.86kgと、携行性に優れた設計となっています。

特筆すべきは、拳銃を水平方向に最大60度まで曲げることができる機構です。マズル下部にはフラッシュライトとビデオカメラが搭載されており、後部液晶画面に映像が映し出されます。カメラはワイドとズームの2つのモードを切り替え可能で、障害物越しでの状況確認や事前偵察に役立ちます。

派生装備として、「スコーピオン」と呼ばれる高所用装備も存在します。伸縮式の棒を用いて高層ビルなどの窓から射撃することが可能です。こちらは無線ではなく、ケーブル接続でトリガーを操作します。また、銃口にぬいぐるみを取り付けることで、注意をそらす擬装も可能です。子猫のぬいぐるみを装着した画像がメディアで話題になったことは記憶に新しいところです。

多様なオプションと拡張性

コーナーショットは、拳銃以外にも様々な兵器に対応できる拡張性を持ちます。

40mmグレネードランチャー: ブリーチ・ローディング方式の40mmグレネードランチャーを装着可能。法執行機関向けには37mm仕様も用意されています。榴弾使用時の有効射程は350mに及びます。
アサルト・ピストル・ライフル(APR): 特注のアサルトピストルを接続することで、5.56mmライフル弾を使用できます。ピストルは単体でも使用可能です。
コーナーショット・パンツァーファウスト(CSP): 対装甲車両戦闘用に、パンツァーファウスト対戦車弾を発射可能なモデル。可動角度は90度に拡大されています。

類似技術との比較

コーナーショットは、第二次世界大戦中にナチス・ドイツが使用した曲射銃身「クルム・ラウフ」など、類似の機能を持つ武器と比較されることがあります。しかし、クルム・ラウフが銃身に直接加工を施すのに対し、コーナーショットは銃器を装着する点が大きく異なります。他にも、塹壕戦で使用された曲銃床や、アメリカ軍がテストしたグリースガン用の曲射銃身なども、その歴史的背景において関連性を示しています。

映像作品への登場

コーナーショットは、その独特の形状と高度な機能から、数多くの映画やテレビドラマ、アニメなどに登場しています。

映画: 『CSI:マイアミ』、『RED/レッド|RED_レッド』、『ウォンテッド』、『交渉人:standoff』、『ザ・ラストシップ』、『The Mentalist』など
* アニメ: 『さばげぶっ!』、『フルメタル・パニック!』など

これら作品において、コーナーショットは、劇的な戦闘シーンや緊張感あふれる場面を演出する重要な小道具として活躍しています。

まとめ

コーナーショットは、その革新的な設計と高い汎用性によって、現代の特殊部隊や法執行機関において不可欠な装備となっています。その存在は、隠密性と戦闘能力の両立という、現代戦における重要な課題に対する一つの解答を示していると言えるでしょう。今後も、その進化と発展に注目が集まることでしょう。

もう一度検索