40mmグレネード

40mmグレネード弾

40mmグレネード弾とは、40mm口径の弾薬で、主に軍事用途で使用される。これには、低速型の40mm×46と中速型の40mm×53が含まれ、北大西洋条約機構（NATO）加盟国及びかつてのソビエト連邦で広く利用されている。

40mm×46の概要

40mm×46弾は、最も早くから実用化された低速型のグレネード弾であり、主に小銃分隊用の単発または半自動発射機での使用を前提とした設計である。その起源は、第二次世界大戦中に遡る。アメリカ陸軍は、当時の准兵器の運用において、60mm迫撃砲や22mmライフルグレネードを使用していたが、これには射程や火力に関する課題が存在した。そこで、アメリカ陸軍作戦研究室は、これらの隙間を埋めるために新たな兵器システムの開発に着手した。

初期の開発では、M1ガーランド小銃に装着できるライフルグレネードが試作されたが、これは短期間で中止された。その後、ピカティニー・アーセナル社が1952年に開発に入り、40mmの弾薬概念が定まることとなった。これに基づいて、1961年にM79グレネードランチャーが登場し、その軽量な設計はベトナム戦争において特に有用性を発揮した。

40mm×46弾の特長としては、発射時の初速が約76メートル毎秒、最大射程が400メートル、点目標に対する有効射程が150メートルという性能がある。

40mm×53の特徴

40mm×53弾は、中速型グレネードで、主に重火器部隊や地上攻撃用の車両および航空機に搭載される自動式発射機で使用される。1950年代後半に、フィルコ・フォード社が航空機搭載用に開発を開始し、1965年から運用が始まった。M75発射機と共にこの弾薬が登場し、その後改良型のM129も開発された。

この弾薬は、初速250メートル毎秒、最大射程2200メートル、及び点目標に対する有効射程1600メートルという強力な性能を持つことから、多用途に利用されている。特に高性能炸薬弾や多目的榴弾が用意され、任務に応じた適応が図られている。

ケースレス弾

ソビエト連邦では、40mmケースレス弾のVOG-25が開発され、GP-25などで使用されていた。これは、薬莢を必要とせず、発射薬が弾薬本体に内蔵されている特異な構造を持っており、装填が簡便である。

採用機種と派生規格

40mm×46弾から派生した規格には、ルーマニアのAG-40Pや南アフリカのXRGL40などがあり、それぞれ異なる性能を持つ。また、陸上自衛隊は96式40mm自動てき弾銃を使用しており、これには40mm×56規格が採用されているが、互換性はない。

様々な特性を有するこれらのグレネード弾は、戦闘時の火力支援として不可欠な存在となっており、現在でも多くの国で運用され続けている。

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