コーネリアス・ジョンソン

コーネリアス・ジョンソン（Cornelius Cooper Johnson）は、1913年8月21日に生まれ、1946年2月15日に亡くなったアメリカ合衆国の陸上競技選手です。彼は特に走高跳でその名を馳せ、1936年のベルリンオリンピックでは金メダルを獲得しました。

生い立ちと競技キャリアの初期

ジョンソンが陸上競技を始めたのは中学校時代でしたが、その才能が本格的に開花したのは高校に入ってからでした。短距離走と走高跳の両方で頭角を現し、その卓越した身体能力を示しました。

1932年、ロサンゼルスオリンピックが地元で開催された際、当時まだ高校生だった18歳のジョンソンは走高跳に出場しました。1m97の記録で1位から4位までが同記録となる接戦でしたが、当時のルールではタイブレークで順位を決めていたため、ジョンソンは惜しくも4位となりました。もし現在のルールが適用されていれば、彼は銀メダルを獲得していた可能性がありました。

ベルリンオリンピックでの栄光

4年後の1936年、ジョンソンはベルリンオリンピックにアメリカ代表として参加しました。この大会には19人のアフリカ系アメリカ人選手が参加しており、ジョンソンもその一人でした。彼は、同じアメリカ代表のデビッド・アルブリットンなどの強豪を抑え、見事に金メダルを獲得しました。優勝記録の2m03は、オリンピック新記録となるものでした。

しかし、この大会では人種差別問題も浮き彫りになりました。競技後、最初の2種目の表彰式には、ドイツの総統アドルフ・ヒトラーが祝福を行う予定でした。最初の表彰式では、ドイツとフィンランドの選手が祝福を受けましたが、ジョンソンとアルブリットンが表彰台に上がると、ナチス幹部たちは競技場から退席しました。後にナチス側は、これは事前に計画されていたものだと説明しましたが、この出来事は当時の人種差別が根深いものであったことを示唆しています。

その後の活躍と晩年

ジョンソンは、1932年から全米選手権で5連覇を達成するなど、その実力を証明し続けました。1936年には2m08の世界新記録を樹立し、その名を世界に轟かせました。しかし、彼の選手としてのキャリアは、その後の第二次世界大戦の影響もあり、比較的短期間で終わりを告げました。

引退後、ジョンソンはロサンゼルスで郵便配達員として働いていましたが、1945年から船会社に転職しました。しかし、翌1946年、彼は船内のパン屋で肺炎により倒れ、病院に搬送される途中で32歳の若さで亡くなりました。

コーネリアス・ジョンソンの遺産

コーネリアス・ジョンソンは、その短い生涯の中で、陸上競技の世界で大きな足跡を残しました。彼は、才能と努力によって数々の記録を打ち立て、人種差別が残る時代において、アフリカ系アメリカ人のアスリートとして勇気と希望を与えました。彼の功績は、今日の陸上競技界においても語り継がれています。

彼の記憶は、スポーツの歴史だけでなく、人種平等のための戦いの象徴としても、永遠に人々の心に刻まれるでしょう。

外部リンク

コーネリアス・ジョンソン - 国際オリンピック委員会 (英語)
コーネリアス・ジョンソン - オリンピックチャンネル
コーネリアス・ジョンソン - Olympedia (英語)
コーネリアス・ジョンソン - Sports-Reference.com (Olympics) のアーカイブ (英語)
* コーネリアス・ジョンソン - National Track and Field Hall of Fame (英語)

もう一度検索