コープ・ヒンメルブラウ

コープ・ヒンメルブラウ（COOP HIMMELB(L)AU）は、1968年にヴォルフ・プリックス、ヘルムート・シュヴィツィンスキー、マイケル・ホルツァーによってオーストリアのウィーンで設立された建築設計事務所です。設立当初は3名体制でしたが、1971年にマイケル・ホルツァーが退所し、その後はプリックスとシュヴィツィンスキーの2名が中心となって活動を続けています。1998年にはアメリカ・カリフォルニア州ロサンゼルス、2000年にはメキシコ・グアダラハラにも事務所を開設し、国際的な活動を展開しています。

創設者の一人であるヴォルフ・プリックスは1942年にウィーンで生まれ、ウィーン工科大学、南カルフォルニア建築大学（SCI-Arc）、英国建築協会付属建築専門大学（AAスクール）で建築を学びました。一方、ヘルムート・シュヴィツィンスキーは1944年にポーランドのポズナンで生まれ、ウィーン工科大学とAAスクールで建築を学んでいます。

事務所の名前である「ヒンメルブラウ」は、ドイツ語で「青い空」を意味します。この名前には、「建築を雲のように浮遊し、変幻自在なものにする」という彼らの思想が込められています。彼らの作品には、この思想を具現化したような「雲」をメタファーとするデザインが多く見られ、鋭角や鈍角といった非直角、曲線といった不定形な形態を好んで用いることが特徴です。

1988年、ニューヨーク近代美術館で開催された「脱構築主義者の建築」展では、フィリップ・ジョンソンの監修のもと、ピーター・アイゼンマン、ザハ・ハディッド、フランク・ゲーリー、ダニエル・リベスキンドらと共に紹介され、一躍世界的に知られるようになりました。彼ら自身も脱構築主義建築であることを認めています。

主な作品

ファンケシュトラーセの屋上改装（ウィーン、オーストリア、1988）
フローニンゲン美術館（フローニンゲン、オランダ、1994）
UFAシネマセンター（ドレスデン、ドイツ、1998）
ウィーンガスタンク（ウィーン、オーストリア、2001）
ミュンヘン美術院（ミュンヘン、ドイツ、2005）
アクロン美術館（オハイオ州、アメリカ、2006）
BMWヴェルト（ミュンヘン、ドイツ、2006）
コンフリュアンス博物館（リヨン、フランス、2007）
映画の殿堂（釜山、韓国、2011）
欧州中央銀行本店（フランクフルト、ドイツ、2014）
オールボーの音楽の家（デンマーク、建設中）

コープ・ヒンメルブラウ出身の建築家

阿部仁史（阿部仁史アトリエ主宰）
渡邊詞男（メタボルテックスアーキテクツ代表）

外部リンク

COOP HIMMELB(L)AU
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コープ・ヒンメルブラウは、その革新的なデザインと脱構築主義的なアプローチで、現代建築に大きな影響を与え続けています。彼らの作品は、単なる建築物という枠を超え、芸術作品としての価値も高く評価されています。

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