コールド・ウェイヴ

コールド・ウェイヴの概要

コールド・ウェイヴは1970年代後半にフランスとベルギーで生まれた特異な音楽ムーヴメントです。このジャンルは電子楽器の冷徹で淡々としたサウンド、そしてミニマルな音作りが特徴となっており、特にシンセサイザーの使用が際立っています。Korg MS-20のような手頃で携帯可能なシンセが誕生したことにより、パンクロックバンドがそれらの楽器を適用したことで、コールド・ウェイヴは形成されていきました。

歴史的背景

「コールド・ウェイヴ」という名称が初めて登場したのは、1977年11月26日のイギリスの音楽誌『Sounds』の表紙です。この記事では、クラフトワークのラルフ・ヒュッターとフローリアン・シュナイダーの写真と共に、「New musick: The cold wave」というフレーズが紹介されました。この時期、クラフトワークはアルバム『ヨーロッパ特急』をリリースしており、コールド・ウェイヴの先駆けとなる影響力を持っていました。

同年、ジャーナリストのVivien Goldmanは、スージー・アンド・ザ・バンシーズに関する記事の中で再びこの用語を使用しました。スージー・アンド・ザ・バンシーズ自身も「冷たく、機械的でありながら情熱的」と自身の音楽スタイルを表現し、Sounds誌では彼らの未来について「70年代から80年代へ向けてコールド・ウェイヴが轟音を立てて突き進んでいく音に耳を傾けよ」と予測していました。

コールド・ウェイヴの黎明期には、多くのバンドが英語ではなく、独自の母国語で歌を披露することが多かったです。しかし、1980年代初頭にはフランスやベルギーのアーティストたちが英語で歌う新たな波が生まれ、その中でも特に注目されたアーティストにはアサイラム・パーティ、Marquis de Sade、Twilight Ritualが含まれます。これらのバンドは、コールド・ウェイヴシーンの重要なアイコンとなり、後の世代に多大な影響を与えました。

主なアーティスト

• - アサイラム・パーティ: このバンドは、コールド・ウェイヴのスタイルで知られ、シンセサイザーを用いた独特のサウンドを確立しました。
• - Marquis de Sade: コールド・ウェイヴシーンにおいて、彼らもまた重要な存在であり、エレクトロニックな要素を巧みに取り入れた楽曲を制作しました。
• - Twilight Ritual: 彼らはコールド・ウェイヴの根源的な特徴において、特に暗い雰囲気を持った音楽を追求しました。

コールド・ウェイヴというジャンルは、当初はダーク・ウェイヴやゴシック・ロック、デスロックと同義語として扱われていましたが、次第にミニマル・ウェイヴやミニマル・シンセへと展開し、音楽シーンを変革する役割を果たしていきました。これらのスタイルは、後続の音楽ムーヴメントにも影響を与え、今日においてもその精神は生き続けています。

もう一度検索