ごきぶりホイホイ

ごきぶりホイホイとは

ごきぶりホイホイは、アース製薬が製造・販売しているゴキブリ駆除用品です。特徴的なのは、その捕獲方法で、粘着シートと誘引剤を組み合わせることで、ゴキブリを効率的に捕獲します。

商品名である「ごきぶり」は平仮名で表記されており、親しみやすい印象を与えます。製品は、家を模した紙製の捕獲器の中に誘引剤をセットし、ゴキブリを誘導する仕組みです。入り口には傾斜がつけられており、ゴキブリの触覚が粘着剤に触れないように工夫されています。

ごきぶりホイホイの歴史

ごきぶりホイホイは、1973年に販売が開始されました。その後、消費者のニーズに応えるため、様々な改良が加えられてきました。

1978年：チューブ塗布式に加え、シートタイプも発売。
1994年：「足ふきマット」モデルが登場し、捕獲性能が向上。
1996年：4種類の強力誘引剤を採用。
1998年：「デコボコ粘着シート」を採用し、粘着性能を向上。
1998年：姉妹品「ちびっこホイホイ」発売。
2003年：発売30周年記念として「復刻版ごきぶりホイホイ」発売。
2012年：姉妹品「ごきぶりホイホイ ミニ」を発売。狭い場所にも設置しやすいスリムサイズ。
2015年：カラフルな「ごきぶりホイホイselect」を数量限定で発売。
* 2023年：スペシャルデザインの「ごきぶりホイホイ　城下町」を発売。

開発の背景

1970年、アース製薬は大塚製薬に買収されました。当時、ゴキブリ駆除器は、ゴキブリを生きたまま捕獲するものが主流で、不快感や後処理の手間が問題となっていました。

大塚製薬傘下となったアース製薬で、除虫菊の研究をしていた西村昭氏は、ゴキブリの生態研究に着手。1971年4月、ゴキブリの「誘引剤」の開発に成功。同年9月、アメリカの雑誌広告に掲載されていた粘着式のネズミ捕りにヒントを得て、「ゴキブリを見ないで捨てる」ことができる粘着式の駆除器を考案しました。

1972年3月、西村氏をリーダーとする社内プロジェクトが発足。粘着剤の技術が低かったため、チューブ入りの粘着剤を採用。ゴキブリの習性を研究し、様々な工夫を凝らしました。

1972年5月、試作品が完成。「ゴキブラー」という商品名に決定しましたが、大塚製薬の社長・大塚正士氏の指示により、発売を1年延期。その間に改良を重ねました。最終的に、より親しみやすい「ごきぶりホイホイ」という商品名に変更され、パッケージデザインも社長自身が手がけました。

発売と大ヒット

1973年、ごきぶりホイホイは満を持して発売されました。テレビCMには、由美かおるさんが起用され、その高い捕獲力から大ヒット商品となりました。生産が追いつかず、スーパーの担当者が工場まで直接買い付けに来るほどだったそうです。当初250円で販売予定だった価格も、450円に引き上げられましたが、その収益性の高さから、アース製薬は経営再建に成功しました。

その後と安全性

その後、他社からも類似品が発売されましたが、アース製薬は殺虫・防虫業界でトップシェアを維持しています。姉妹品として、「ネズミホイホイ」や「コバエがホイホイ」など様々な製品を開発しています。

ゴキブリ誘引材は香料であり、殺虫剤成分は含まれていないため、食品を扱う店舗や子供がいる家庭でも安心して使用できます。ただし、ハムスターなどの小動物が誤って捕獲されてしまうという問題点も指摘されています。

CM展開

ごきぶりホイホイのCMには、多くの著名人が起用されてきました。初期には由美かおるさん、その後も森光子さん、ガッツ石松さん、石立鉄男さん、志村けんさんなど、数々の有名タレントが出演し、製品の知名度向上に貢献しました。

まとめ

ごきぶりホイホイは、粘着式のゴキブリ駆除用品として、その高い捕獲力と安全性から長年にわたり多くの家庭で利用されています。製品開発の歴史や、消費者のニーズに応える改良を重ねてきたことで、ロングセラー商品としての地位を確立しました。

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