ゴジラvsキングギドラ

映画『ゴジラvsキングギドラ』について

『ゴジラvsキングギドラ』は、1991年12月14日に公開された日本の特撮映画で、ゴジラシリーズの第18作目にあたります。本作は、平成VSシリーズの第2作に位置付けられ、タイムトラベルをテーマにした物語が展開されます。監督と脚本を担当したのは大森一樹であり、特撮の名手・川北紘一が特技監督として参加しています。

作品の概要

この映画は、東宝の創立60周年を記念して制作されました。物語は2204年の未来から始まり、未来人たちが過去へタイムトラベルし、ゴジラ誕生の歴史を改変しようとする姿を描いています。この斬新な設定は、観客に新たな視点でゴジラの物語を楽しませるものでした。また、放射能を浴びる前のゴジラを示す「ゴジラザウルス」も登場し、その誕生の秘密が明かされるなど、従来のシリーズとは一線を画しています。

本作では、キングギドラとゴジラの対決が1972年の『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』以来19年ぶりに実現しました。特に、1対1の対決は本作品だけであるため、この点もファンの関心を引きました。さらに、キングギドラが悪役から人類を救う存在に改編されたことで、物語はより深みを持ちはじめています。

経済的成功とファミリー映画の確立

『ゴジラvsキングギドラ』は、270万人の動員を記録し、14億5,000万円もの収入を上げました。これは、1992年の邦画配収で第8位にあたります。この結果は、映画がファミリー向けの工夫を凝らしていることに成功した証拠でもあります。親子2世代で楽しめる作品に仕上がっており、かつて昭和シリーズを観た世代がその子どもたちと共に映画を見る光景が増えました。

映画のテーマと批評

映画は、タイムトラベルという要素を物語の鍵に据えていますが、その結果として引き起こされるタイムパラドックスの問題については、批判の声も上がりました。大森監督は、演出を優先してこの問題から意図的に目を背けており、視聴中は観客に違和感を感じさせないことを重視していたと述べています。また、本作は『ターミネーター』や『エイリアン2』といったハリウッドのSF映画からの影響が見受けられており、特に戦うヒロインの登場は、同年の日本特撮におけるトレンドに沿ったものでもありました。

ストーリーの詳細

物語は、2204年のオホーツク海沖で未来人たちが海底に眠るキングギドラを発見し、彼らが過去を改変してゴジラの存在を消そうとするところから始まります。UFOが東京上空に現れ、未来人たちが姿を表し、ゴジラの誕生を阻むための計画を提案します。この計画が進む中で、エミーという日本人の女性が現代の人々と協力し、物語が展開していきます。

彼らはタイムマシンKIDSに乗り、1944年のラゴス島に降り立ち、恐竜であるゴジラザウルスを目撃します。その後、さまざまな出来事を経て、エミーが放ったドラッドによってキングギドラが誕生します。

ゴジラの復活とキングギドラとの戦いは、観客を画面に引き込みます。クライマックスでは、再生されたメカキングギドラが現れ、ゴジラとの壮絶なバトルが繰り広げられます。この劇的な展開は、特撮映画としての一つの新たな形を示すものであり、今後の作品に影響を与えることとなりました。

結論

『ゴジラvsキングギドラ』は、特撮映画としての伝統を受け継ぎながらも、新しい要素を取り入れた意欲的な作品として評価されています。特に、観客に親しまれるキャラクターとその関係性を描いた点が成功した理由の一部であり、ファミリー層の取り込みを実現したことで、今後のシリーズにも大きな影響を与えることとなりました。

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