ゴジラvsスペースゴジラ

『ゴジラvsスペースゴジラ』

1994年12月10日に公開された『ゴジラvsスペースゴジラ』は、ゴジラシリーズの第21作目であり、平成VSシリーズとしては第5作にあたります。この映画は、特撮ファンにとって特別な意味を持ち、340万人以上の観客動員数を記録しました。配給収入は16億5,000万円に達し、キャッチコピーの「破壊神降臨」が示す通り、視覚的なインパクトとストーリー展開で観客を魅了しました。

概要

本作では、平成VSシリーズ史上最多となる5体の怪獣が登場します。主要な敵役となるスペースゴジラは、平成VSシリーズとして初の宇宙からの怪獣であり、特異な存在感を放っています。また、GフォースのロボットであるMOGERAは、1957年の映画『地球防衛軍』に登場したモゲラのリメイクであり、前作のメカゴジラの要素も引き継がれています。

本作品のストーリーは、リアリズムよりも娯楽性を重視し、恋愛劇や復讐劇が交錯する形で展開されます。特に新城功二と三枝未希の恋愛の描写や、結城晃のゴジラへの復讐が物語の重要な要素となっています。また、バース島の美しい風景が淡い恋の雰囲気を盛り上げている点も大きな見どころです。

本作品は、他の平成ゴジラシリーズとは異なり、ゴジラが人類の味方のように描かれていることが特徴です。実際、ゴジラがヒーロー的に扱われているのはこの作品だけであり、観客に新たな視点を提供しています。

ストーリー

物語は、メカゴジラがゴジラに敗北してから1年後、国連G対策センターにおいて進行中の二つのプロジェクトに焦点を当てています。プロジェクトの一つは、メカゴジラに代わる新兵器「Mプロジェクト」、もう一つは、ゴジラをテレパシーで操作し、無害化する「Tプロジェクト」です。

南太平洋のバース島では、Gフォースの隊員である結城晃がベビーゴジラの成長した姿であるリトルゴジラとの交流を持ちながら、ゴジラ討伐のための罠を仕掛ける準備を進めていました。そして、新城功二と佐藤清志がTプロジェクトを支援するためにバース島に訪れ、そこで奇妙な結晶体群を発見します。

そんな中、宇宙からはスペースゴジラが接近してきます。MOGERAはその迎撃に出るも、スペースゴジラに圧倒され、バース島に上陸。最終的に、日本中の各地で大きな破壊をもたらします。

物語のクライマックスでは、味方となったゴジラと分離したMOGERAがスペースゴジラに立ち向かう展開が描かれます。スペースゴジラを倒した後、ゴジラはバース島へ帰り、未希はリトルゴジラを思う優しいシーンで締めくくられます。

登場キャラクター

・ゴジラ
・スペースゴジラ
・リトルゴジラ
・MOGERA
・フェアリーモスラ
・コスモス

様々なキャラクターが物語を盛り上げますが、特に新城功二や三枝未希のような人間キャラクターがドラマを形成しています。

人物について

1. 新城功二 - 熱血漢であり、ゴジラとの戦いにロマンを求めるGフォースの少尉。
2. 三枝未希 - 超能力者であり、サイキックセンターの主任。ゴジラを操るプロジェクトに参加しています。
3. 結城晃 - Gフォースの少佐で、ゴジラへの復讐に燃えるキャラクター。

制作について

本作の製作に際して、急遽新しい怪獣を登場させる決定が下され、結果として宇宙怪獣のコンセプトが生まれました。特技監督やスタッフが新たに加わり、ゴジラシリーズに新しい風を吹き込む機会となりました。また、音楽も服部隆之が担当し、従来のテーマとは異なるアプローチが試みられました。

評価

配給成績は良好でしたが、一方でシリーズのファンからは賛否が分かれました。それでも、作品は一つの候補作として、平成ゴジラシリーズの中での重要な位置を占めていることは間違いありません。次回作『ゴジラvsデストロイア』への期待も高まる中で、本作の魅力がどのように引き継がれるのか、多くのファンが注目しました。

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