宇宙怪獣

宇宙怪獣：地球外からの脅威と、その多様な姿

宇宙怪獣とは、地球外を起源とする怪獣を指します。現在、地球外生命体の存在は確認されていませんので、あらゆる宇宙怪獣は、小説、映画、アニメ、ゲームなどのフィクション作品に登場する架空の生き物です。

宇宙怪獣の定義と分類

フィクションにおける宇宙怪獣は、大きく分けて二つのパターンが存在します。一つは、ゴジラシリーズやウルトラシリーズのように、地球上に既に怪獣と呼ばれる生物が存在する世界において、地球産の怪獣と区別するために用いられる場合です。もう一つは、宇宙から飛来した巨大な生命体が地球を脅かすという設定で、怪獣という概念自体が存在しない世界でも、宇宙から来た巨大生物を宇宙怪獣と呼ぶケースです。

広義には、宇宙生物の一種と言えるでしょう。知的生命体であれば、宇宙人や異星人と呼ばれます。隕石怪獣、彗星怪獣、宇宙恐竜といった呼び名もありますが、これらは必ずしも明確な分類というよりは、個々の怪獣の代名詞的な意味合いで用いられることが多く、宇宙怪獣と呼んでも差し支えありません。

そもそも「怪獣」という存在は、人間の未知への畏怖や想像力が生み出したものです。かつては、アフリカやアマゾンの奥地、深海といった、人知の及ばない場所に棲息するUMA（未確認生物）をモデルとする怪獣が多かったのですが、20世紀以降、地球上のほとんどの地域が探査され、そのような未知の生物が生息する可能性のある場所は少なくなりました。そのため、怪獣は宇宙からやってくるという設定が一般的になっていったのです。

代表的な作品における宇宙怪獣

東宝怪獣映画

東宝怪獣映画における宇宙怪獣の代表例として、キングギドラが挙げられます。宇宙から飛来した怪獣は、宇宙怪獣と言えるでしょう。多くの宇宙怪獣は、X星人やM宇宙ハンター星雲人といった、地球を征服しようとする宇宙人によって操られています。東宝怪獣映画に登場する宇宙怪獣には、ドゴラ、キングギドラ（昭和版、『モスラ3』版）、ヘドラ、ガイガン、スペースゴジラ、デスギドラ、オルガ、モンスターX（＝カイザーギドラ）などが含まれます。

一方で、『ゲゾラ・ガニメ・カメーバ 決戦!南海の大怪獣』に登場するゲゾラ、ガニメ、カメーバは、宇宙生物が地球の生物に乗り移って怪獣化した存在です。『怪獣プラネットゴジラ』に登場するゴジラ、ラドン、モスラは、架空の惑星「怪獣プラネット」に生息する怪獣です。『ゴジラアイランド』では、ジゴラ、ネオヘドラ、スーパースペシャルスペースゴジラハイグレードタイプ2といったオリジナルの宇宙怪獣が登場します。

ガメラシリーズ

『宇宙怪獣ガメラ』ではタイトルに「宇宙怪獣」とありますが、ガメラ自身は宇宙から来た怪獣ではなく、宇宙空間でも活動可能な地球の怪獣という設定です。ガメラシリーズで宇宙怪獣とされるのは、バイラス、ギロン、宇宙ギャオス、ジグラ、レギオンなどです。

ウルトラシリーズ

ウルトラシリーズでは、宇宙怪獣の設定や扱いには複雑な経緯があります。棲星怪獣ジャミラは、元の姿は地球人ですが、惑星の環境に適応して身体が変異した存在であり、宇宙怪獣と呼ぶのは適切ではないかもしれません。しかし、作品内ではその正体は秘匿されているため、便宜的に宇宙怪獣とされている面もあります。

アントラー、バニラ、アボラス、ザラガス、ジェロニモンなどは、放映当時は宇宙怪獣という設定でした。三面怪人ダダは、書籍によっては「三面怪獣」と表記される場合もあります。ギャンゴは、宇宙から飛来した「石」が、人間の願いによって怪獣化した存在です。二次元怪獣ガヴァドンは、子供たちが描いた絵が宇宙線によって実体化したものです。

『ウルトラセブン』では、多くの怪獣が侵略宇宙人に使役される宇宙怪獣として描かれています。ウルトラセブン自身も、カプセル怪獣と呼ばれる3体の宇宙怪獣を使役しています。各作品が独立して制作されていたため、『帰ってきたウルトラマン』では、ベムスターが初めて登場する宇宙怪獣として扱われています。アストロモンスは、地球の植物が巨大化した怪獣ですが、「宇宙大怪獣」と呼ばれています。『ウルトラマンレオ』の円盤生物、『ウルトラマンガイア』の根源的破滅招来体なども、複雑な設定を持つ宇宙怪獣です。『ウルトラマンネクサス』では、怪獣は「スペースビースト」と呼ばれ、多くは地球生物が宇宙由来の物質と融合して変異したものです。

トップをねらえ!シリーズ

『トップをねらえ!』シリーズに登場するSTMC（Space Terrible Monster Crowd）は、人類の天敵たる宇宙怪獣です。本能的に行動し、銀河系の中心に巣を作り、繁殖を繰り返しながら人類文明の破壊を目指して進軍します。その数は天文学的な数字に及び、大きさによって兵隊、巡洋艦級などいくつかのタイプに分類されています。弱点は電流で、バスターマシンはそれを利用した兵器を装備しています。

宇宙怪獣の行動目的は繁殖ではなく、人類文明の破壊そのものです。ヨンピル博士は、宇宙怪獣を銀河系の免疫抗体として、人類というバクテリアを駆除しようとしている存在だと仮説を立てています。様々な種類が存在し、その設定は複雑で奥深く、各作品で異なる描写がなされています。

宇宙怪獣の種類

『トップをねらえ!』シリーズに登場する宇宙怪獣は、兵隊、タンク、巡洋艦級、上陸舟艇、高速型、混合型、合体型、自爆型、母艦型、エグゼリオ変動重力源など、様々な種類が存在します。それぞれの形状、能力、役割は異なり、詳細な設定は作品によって異なります。擬態型や人間型といった特殊なタイプも存在します。

その他の作品

他にも多くの作品に宇宙怪獣が登場します。A・E・ヴァン・ヴォクトの小説『宇宙船ビーグル号の冒険』、東宝映画以外の特撮作品、アニメ、ゲームなど、数多くの作品で様々な宇宙怪獣が創造されています。

まとめ

宇宙怪獣は、フィクション作品において、多様な姿と設定で描かれる、地球外からの脅威です。その定義や分類は作品によって異なりますが、人間の想像力の豊かさを示す存在と言えるでしょう。

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