ゴスペル・ライヴ

ゴスペル・ライヴ (One Lord, One Faith, One Baptism)

1987年にアレサ・フランクリンによってリリースされたライブアルバム『ゴスペル・ライヴ』は、彼女にとって15年ぶりのゴスペル作品です。元々は1972年に発表された『至上の愛〜チャーチ・コンサート〜』以来の新作であり、ファン待望の一枚となりました。アルバムの録音は、アレサの父であるC・L・フランクリンが牧師を務めたニュー・ベセル・バプテスト教会で行われ、作品には彼女の音楽的背景を色濃く反映した力強いゴスペルが展開されています。

このアルバムは、アナログ盤としては2枚組で17トラックが収録されていますが、CD版では時間の制約から14トラックにまとめられています。2003年には、オリジナルLPに未発表トラック4曲を追加したリマスター版がリリースされ、さらなる注目を浴びました。

アルバムの受け入れと評価

『ゴスペル・ライヴ』は、リリース後にアメリカの『ビルボード』で大きな成功を収めました。アルバムはBillboard 200チャートで106位に達し、特にゴスペルアルバムチャートにおいては4週連続で1位を獲得しました。第31回グラミー賞ではこのアルバムが最優秀女性ソウル/ゴスペル・パフォーマンス賞を受賞し、収録曲「オー・ハッピー・デイ」は最優秀ソウル/ゴスペル・パフォーマンス賞（デュオまたはグループ）にノミネートされました。

音楽ジャーナリストのジョン・ブッシュはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け、「彼女にとって教会がどのような場所なのかを捉えた、価値あるドキュメント」と高く評価しました。また、David Frickeは『ローリング・ストーン』のレビューで4点の評価を与え、このアルバムがアメリカの黒人音楽のルーツを探求する真の魂の音楽であると述べています。

収録曲の魅力

アルバム『ゴスペル・ライヴ』は、以下のようなトラックが収録されています。

• - サイド1 には、伝統的なゴスペル曲「Walk in the Light」や「Jesus Hears Every Prayer」、また、Rev. Cecil Franklinによる祈りの導入があります。
• - サイド2 では「The Lord's Prayer」や、名曲「オー・ハッピー・デイ」が収録されており、聴く者を魅了します。
• - サイド3 とサイド4 には、感動的なスピーチや「Ave Maria」、「I've Been in the Storm Too Long」など、深いメッセージが込められた楽曲が続きます。特に「Packing Up, Getting Ready to Go」は聴衆に力強い鼓舞を与える一曲です。

このアルバムにはアレサ・フランクリンの他にも、ザ・フランクリン・シスターズやメイヴィス・ステイプルズなど、著名なアーティストが参加しており、それぞれの声が一体となることで生まれるハーモニーは圧巻です。

まとめ

『ゴスペル・ライヴ』はアレサ・フランクリンの音楽史の中で特に重要な役割を果たす作品であり、彼女のゴスペル音楽に対する情熱と才能が見事に表現されています。感動的な楽曲と深いメッセージを通じて、聴く者に希望と癒しをもたらすこのアルバムは、今も多くの人々に愛され続けています。

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