ゴッタルド道路トンネル

ゴッタルド道路トンネル：スイスを代表する交通の大動脈

ゴッタルド道路トンネルは、スイスのウーリ州ゲシェネンとティチーノ州アイロロを結ぶ、全長16.9kmの長大トンネルです。アルプス山脈を貫き、ヨーロッパの南北を結ぶ重要な役割を担っています。世界有数の長さを誇り、ドイツのハンブルクとイタリアのシチリアを結ぶ最短ルートの一部となっています。

歴史

1952年から予備調査が開始されましたが、着工までには時間を要しました。1966年に調査結果が出て、1969年に掘削が開始され、1980年9月5日に開通しました。当時、世界最長の道路トンネルであり、総工費は約805億円でした。開通後、交通量は急増し、ヨーロッパの物流に大きく貢献しました。

2001年には、トンネル内でトラック火災が発生し、11名が犠牲になるという痛ましい事故も発生しました。その後、トンネルは一時閉鎖され、復旧作業が行われました。

2012年には、近隣のゴッタルド鉄道トンネルが落石により不通となり、一時的に危険物輸送が許可されるという異例の措置が取られました。

道路状況

トンネルはスイスの高速道路A2の一部であり、片側1車線の対面通行となっています。制限速度は80km/hですが、交通量が多く、頻繁に渋滞が発生します。トンネル内では、トラックの車間距離を150メートル以上確保することが義務付けられています。

第2トンネル計画

慢性的な交通渋滞の緩和と、老朽化対策のため、第2トンネルの建設計画が進められています。2016年の国民投票で建設が承認され、2027年の開通を目指しています。ただし、交通量増加を抑制するため、完成後も新旧トンネルともに片側1車線での運用が計画されています。

関連するトンネル

ゴッタルド道路トンネルの近くには、ゴッタルド鉄道トンネルやゴッタルドベーストンネル（鉄道用）があり、スイスの交通網を支えています。

ゴッタルド道路トンネルは、その長さと重要性から、スイスを代表するインフラストラクチャーの一つと言えるでしょう。第二トンネルの建設によって、更なる交通の円滑化と安全性の向上が期待されています。

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