ゴレスターン条約

ゴレスターン条約は、1813年10月24日（ユリウス暦10月12日）に、アゼルバイジャンのゴレスターンでロシア帝国とカージャール朝の間で締結されました。この条約は、ザカフカス地方の領有権を巡る長年の紛争に終止符を打つものでした。

条約の背景

1804年以降、ロシア帝国とカージャール朝は、ザカフカス地方の支配権を巡って断続的に戦争を繰り返していました。この第一次ロシア・ペルシア戦争は、アスラーン・デジュの戦いでロシア帝国が勝利したことで、大勢が決しました。

条約の内容

ゴレスターン条約の主な内容は以下の通りです。

カージャール朝は、アラス川以北の地域をロシア帝国に割譲する。
カージャール朝は、グルジアに対する主権を放棄する。
ロシア帝国は、カスピ海の航行権を獲得する。

この条約は、イギリスの調停によって成立しました。

条約の影響

ゴレスターン条約は、カージャール朝にとって大きな痛手となりました。カージャール朝は、広大な土地基盤を失い、ロシア帝国の勢力拡大を許すことになりました。また、カスピ海の航行権を失ったことは、カージャール朝の経済にも大きな影響を与えました。

しかし、カージャール朝は領土の回復を諦めず、1826年にはイギリスの介入もあって第二次ロシア・ペルシア戦争が勃発します。しかし、ここでもカージャール朝は敗北し、1828年のトルコマンチャーイ条約で、北アーザルバーイジャーンとアルメニアをロシア帝国に割譲することになりました。

ゴレスターン条約は、その後のザカフカス地方の歴史に大きな影響を与えました。この条約によって、ロシア帝国の影響力が拡大し、ザカフカス地方はロシア帝国の支配下に入ることになりました。

参考文献

西村めぐみ『民主化以後の南コーカサス』多賀出版、2005年

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