ゴロホヴェツ

ゴロホヴェツは、ロシア・ヴラジーミル州に位置する都市で、同州のゴロホヴェツキー地区の行政の中心地です。モスクワとニジニ・ノヴゴロドを結ぶ主要道路M7沿いにあり、ヴラジーミルからは東へ約150km、ニジニ・ノヴゴロド州との境界近くに位置しています。オカ川の支流であるクリャージマ川の右岸に位置し、河港としても機能しています。人口は約1万4千人で、町の名前はロシア語で「エンドウ豆」を意味する言葉に由来しています。

歴史

ゴロホヴェツの歴史は古く、12世紀にはすでに文献に登場しています。当初はウラジーミル・スーズダリ大公国の東の要塞として機能していましたが、13世紀にはモンゴル帝国の侵攻により破壊されました。14世紀にはニジニ・ノヴゴロド公国の一部となり、その後モスクワ大公国に併合されました。16世紀にはカザン・ハン国の攻撃を受けますが、伝説によると、丘に現れた騎士の幽霊によって撃退されたとされています。この丘は現在「プジャロヴォ」と呼ばれ、公園になっています。17世紀には手工業と商業の中心地として繁栄し、多くの教会や修道院が建てられました。18世紀には正式に都市としての地位を得て、地区の中心となりました。

見どころ

ゴロホヴェツは、17世紀の全盛期に建てられた石造りの商家や聖堂が数多く残っています。これは、19世紀末の産業ブームやソ連時代の工業化の波から取り残されたため、古い街並みがそのまま保存されたことによります。特に注目すべきは、1643年に創立されたニコライ修道院、1686年に完成した至聖三者ニコルスカヤ聖堂、17世紀末に建てられたヴァスクレセンスカヤ聖堂、1700年に建てられたヴラゴヴェシチェンスキー聖堂、1689年に建てられたスレテンスキー女子修道院と同名の聖堂などです。

交通

ゴロホヴェツは、モスクワとニジニ・ノヴゴロドを結ぶ鉄道の駅があり、シベリア方面へ向かう列車も通過します。また、近隣には高速道路M7も通っており、交通の便が良い場所です。

ゴロホヴェツは、歴史的な建造物と美しい自然が調和した魅力的な都市です。歴史や文化に興味のある方は、ぜひ訪れてみてください。

11世紀ごろ、この地にはフィン・ウゴル語族のメリャ人が居住していた。
1158年、ウラジーミル・スーズダリ大公国の要塞としてゴロホヴェツが文献に初出。
1239年、モンゴル帝国の侵攻により破壊される。
14世紀、ニジニ・ノヴゴロド公国の一部となり、後にモスクワ大公国に併合。
1539年、カザン・ハン国のタタール人が侵入。
17世紀、手工業と商業で繁栄。
1778年、正式に都市となる。
19世紀、穀物や亜麻の取引の中心地となる。
第二次世界大戦時、戦場にはならなかったが、多くの兵士を送り出す。

主な建造物

ニコライ修道院（1643年創立）
至聖三者ニコルスカヤ聖堂（1686年完成）
ヴァスクレセンスカヤ聖堂（17世紀末）
ヴラゴヴェシチェンスキー聖堂（1700年）
スレテンスキー女子修道院と同名の聖堂（1689年）

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