ゴーウィンド型コルベット

ゴーウィンド型コルベットについて

ゴーウィンド型コルベット（Gowind-class corvette）は、フランスのナバル・グループ社（旧DCNS）が手掛ける水上戦闘艦のクラスで、国際的な海上戦力としての需要が高まる中で登場しました。初めてその計画が公表されたのは2004年のことで、パリで開かれたユーロナヴァル展において、同社が小型艦艇の市場参入を狙って発表されたものです。これにより、フリゲートや潜水艦の成功を収めていたDCNSは、新たに排水量1,000トンから2,000トン級の小型艦艇への市場開拓を試みましたが、当初はまだ取引には至りませんでした。

開発の進展と海軍への導入

2008年のユーロナヴァル展では、改良型ゴーウィンド型が提案され、これまでの戦闘艦の枠を超えた海上保安活動に焦点を当てたデザインが注目されました。1,000トン級の「ゴーウィンド・コントロール」型と、2,500トン級の強力な「ゴーウィンド・コンバット」型が存在しましたが、フランス海軍の関心は他のプロジェクトに向いており、成約には至りませんでした。

その後、2009年には新社長の下でエルメス計画が発足し、DCNS自身が建造するデモンストレーター艦、「ラドロワ」をフランス海軍に導入して運用実績を積むこととなりました。この艦は2012年に就役し、以降も様々な国への輸出が進められています。

海外への展開

2011年にはマレーシア海軍がゴーウィンド型を採用したことで注目を集め、ゴーウィンド2500型がその一例として計画されました。この艦は多目的フリゲートとして設計され、強力な防空ミサイルを搭載可能です。1番艦の「マハラジャ・レラ」が2017年に進水しましたが、プロジェクトの遅延が懸念されました。一方、エジプト海軍もこの型を導入し、4隻が発注されました。特に1番艦の「エル・ファテー」は2017年に引き渡され、その後エジプト国内でさらに建造が進められています。

アルゼンチンへの技術供与

2018年にはアルゼンチン海軍がゴーウィンド型の導入を決定しました。これは、排他的経済水域の警備を目的とした新しい哨戒艦の必要に応えるものであり、契約締結後、既存艦「ラドロワ」を改修し、アルゼンチン海軍の「ブシャール」として再就役させました。さらに、追加の同型艦の建造も計画されています。

ゴーウィンド型コルベットは、その高い汎用性と性能により、海軍の多様な要求に応じられる艦艇として評価され続けています。さまざまな国における運用実績は、国際的な防衛市場における新たな競争力を持つ存在としての地位を確立しています。これからも、その進化と展開には注目が集まることでしょう。

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