ゴールド・ディガース (1933年の映画)

『ゴールド・ディガース』（Gold Diggers of 1933）

概要

『ゴールド・ディガース』は、1933年に公開されたアメリカのミュージカル映画で、監督はマーヴィン・ルロイが務めています。ミュージカル部分の演出は著名な振付師バスビー・バークレーが担当し、音楽もハリー・ウォーレンが作曲、アル・ダビンが作詞を手掛けました。主要なキャストには、ウォーレン・ウィリアム、ジョーン・ブロンデル、アリーン・マクマホン、ルビー・キーラー、ディック・パウエル、ジンジャー・ロジャースなどが名を連ねています。

この映画の原作は、1919年から1920年にかけて282回上演されたエイヴァリー・ホップウッド作の舞台『ゴールド・ディガース』です。過去に映画化されたこともあり、1929年版は大きな成功を収めました。本作も続いて大ヒットを記録し、2003年にはアメリカ国立フィルム登録簿に文化的な重要性が認められ保存されました。

ストーリー

物語は、経済的な困難を抱えるガールズ・ミュージカル・グループ「ゴールド・ディガーズ」が中心です。練習中に債権者が公演中止を告げ、メンバーたちの心は重くなります。ポリイ、キャロル、トリキシイの3人が共同生活をしながら、明るい未来を夢見る中、アパートの向かいから聞こえてくる美しいピアノの音色に心惹かれます。そのピアニストが作曲家を目指すブラッドで、ポリイが彼をプロデューサーのホプキンスに紹介する展開となります。やがて、成功を目指す彼女たちは、資金調達を受け、ブラッドの助けで公演を再開することが決定します。

初日、ポリイの相手役が急遽出演できない事態が発生し、ブラッドが代役を務めることに。彼とポリイのデュエットは大成功を収め、観客を魅了します。しかし、ブラッドの正体が億万長者の息子であることが明らかになり、ストーリーは新たな展開を迎えます。彼の兄ローレンスは、弟がショウガールに口説かれていると誤解し、事態はさらに複雑化していくのです。

出演者

この映画には華やかなキャストが揃い、彼らのパフォーマンスが物語を一層引き立てます。ポリイ役を演じたルビー・キーラー、キャロル役のジョーン・ブロンデル、ブラッド役のディック・パウエルらが特に注目され、各々のキャラクター性をしっかりと表現しています。また、ジンジャー・ロジャースが演じるフェイや、ガイ・キビーのピーボディも印象的で、全体を盛り上げます。

音楽と振付

映画の魅力の一つは、数々の名曲によるミュージカルシーンです。特に『We're in the Money』や『Remember My Forgotten Man』は観客の心に深く残り、同時にバークレーの振付技術も際立っています。これらの楽曲は、1930年代のアメリカ社会の影を反映し、独特の雰囲気を醸し出しています。『Remember My Forgotten Man』では大恐慌の影響が色濃く描かれており、強いメッセージ性を持っています。

制作の背景

当初のタイトルは『High Life』であり、制作過程での変更も注目に値します。ストーリーの初期稿はより官能的な内容に偏っていましたが、徐々にショーの裏側に焦点を当てるものに変わっていきました。最終的にミュージカル形式に落ち着いたことで、観客に強く訴えかける作品となりました。

評価と影響

この映画は、その年の興行成績で2位に輝くほどの成功を収めました。アメリカ国内で229万ドル、海外で103万ドルの収益を上げたことが報告されています。また、音楽や演出が評価され、アカデミー録音賞にもノミネートされました。『ゴールド・ディガース』は、アメリカンミュージカルの金字塔として、多くの人に愛され続けています。

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