ゴー・ナウ

ゴー・ナウ (Go Now)

「ゴー・ナウ」は、1964年にアメリカのソウル歌手ベシー・バンクスが発表した楽曲です。しかし、一般的にはムーディー・ブルースによるカバー・バージョンで広く知られています。オリジナル版とカバー版、それぞれの背景と魅力を掘り下げてみましょう。

ベシー・バンクスのバージョン

この楽曲は、元々ザ・フォア・フェロウズというドゥワップ・グループに所属していたラリー・バンクスと、彼の友人ミルトン・ベネットによって作られました。彼らは、ラリーの妻であるベシー・バンクスのためにデモ・テープを制作しました。このテープを聴いた著名なプロデューサー、ジェリー・リーバーとマイク・ストーラーが楽曲を気に入り、彼らのプロデュースによって1963年に再録音が行われました。編曲はゲイリー・シャーマンが担当し、バッキング・ボーカルにはディー・ディー・ワーウィックとシシー・ヒューストンという実力派が参加しました。

このバージョンは、タイガー・レコードから発売された後、ブルー・キャット・レコードから再発されました。キャッシュボックスのチャートでは40位を記録しています。

ムーディー・ブルースのバージョン

デニー・レインはベシー・バンクスのレコードを聴き、すぐにムーディー・ブルースのメンバーを説得し、セカンド・シングルとしてこの曲を選びました。リード・ボーカルはレイン自身が担当しました。1964年11月13日にシングルA面としてリリースされ、1965年7月23日にはファースト・アルバム『The Magnificent Moodies』にも収録されました。

マネージャーの一人であったアレックス・ウォートンがプロデュースと監督を務めたプロモーション・フィルムが制作され、テレビで放映されたこともあり、楽曲は大きな注目を集めました。その結果、1965年1月28日付の全英シングルチャートで1位を獲得する大ヒットとなりました。アメリカのBillboard Hot 100では10位、カナダでは2位、オーストラリアでは12位、ニュージーランドでは10位を記録するなど、世界中で愛される楽曲となりました。

2014年には、『The Magnificent Moodies』の50周年デラックス・エディション盤が発売され、そこにはファースト・バージョンも収録されています。

その他のバージョン

「ゴー・ナウ」は、数多くのアーティストによってカバーされています。以下に代表的なバージョンをいくつか紹介します。

シェール - 1968年のアルバム『Backstage』に収録。
デヴィッド・キャシディ - 1972年のアルバム『Rock Me Baby』に収録。
ウイングス - 1976年のライブ・アルバム『ウイングス・オーヴァー・アメリカ』に収録。デニー・レインがリード・ボーカルを担当。コンサートを収録した1980年公開の映画『Rockshow』にも収録。
ティン・マシーン - 1992年のコンピュレーション『Ruby Trax』に収録。
オジー・オズボーン - 2005年のアルバム『アンダー・カヴァー』に収録。
ルル - 2005年のアルバム『A Little Soul in Your Heart』に収録。

このように「ゴー・ナウ」は、時代を超えて様々なアーティストに愛され、歌い継がれている名曲です。

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