シェール

シェール (Cher)

概要

シェール（Cher、1946年5月20日生まれ）は、アメリカ合衆国カリフォルニア州エル・セントロ出身の著名な歌手および女優です。彼女は1960年代から現在に至るまで、音楽界と映画界の両方で成功を収めており、そのキャリアは50年以上にわたります。

出身と幼少期

彼女の父親はアルメニア系、母親はチェロキー・インディアンやアイルランド、ドイツの血を引いています。この多様なバックグラウンドは、彼女の音楽やパフォーマンススタイルに影響を与えています。母親の再婚や離婚が多く、シェールは貧しい環境で育ちました。短い間で多くの転居を経験した幼少期は、彼女に強い精神力を与えたと言われています。

音楽キャリアの始まり

16歳で学校を中退し、ロサンゼルスに移り住むと、演技のクラスを受ける傍ら、18歳の時には音楽家ソニー・ボノに見出され、結婚後に「ソニー＆シェール」として活動を開始しました。このデュオは「アイ・ガット・ユー・ベイブ」などのヒット曲を持つことで知られていますが、1975年の離婚後はソロ活動を進めることになります。

ソロキャリアの成功

1966年からシェールは自身の音楽キャリアもスタート。彼女の曲「悲しきジプシー」や「ハーフ・ブリード」は全米1位を獲得し、日本でも人気を博しました。1975年にはグレッグ・オールマンと結婚するも、短期間での離婚を経験します。その後もミュージシャンとして様々なスタイルの音楽を取り入れ、1979年にリリースした「Take Me Home」は大ヒットを記録しました。

映画と女優としての活動

シェールは1982年に映画『わが心のジミー・ディーン』で女優として本格的に活動を開始。その後も『シルクウッド』や『マスク』、アカデミー賞受賞作品『月の輝く夜に』など、成功を収めた映画が多数あります。特に『月の輝く夜に』での彼女のシースルーのドレスは、今なお語り継がれるインパクトを残しました。

再ブレイクと近年の活動

1998年には「Believe」が大ヒットを記録し、この曲はグラミー賞最優秀ダンス・レコーディング賞を受賞。彼女にとって初のグラミー受賞であり、この作品は世界中で多くのチャート1位を獲得しました。シェールはその後もワールド・ツアーを継続し、成功を収め、特に2018年には「マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー」に出演しました。

人物と私生活

シェールは、プライベートでは内向的な性格だと自認しており、初対面の人と接することを好まないと語っています。しかし、ステージ上では自分とは異なる人物になれると話しています。彼女はまた、LGBTの権利活動家としても知られ、多くの支持を集めています。ドナルド・トランプに対しては批判的な立場を明らかにしています。

記録と称賛

シェールは1960年代から2010年代にかけて、各年代でビルボードチャートの1位に輝いたヒット曲を持つ唯一のアーティストとしても知られています。70代後半になった現在でもその美貌を保ちながら活躍を続ける彼女は、「ポップスの女神（The Goddess of Pop）」と称され、世界中のファンから愛されています。

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