サイドターン

サイドターンとは

サイドターン（英: Handbrake Turn）は、モータースポーツのテクニックの一つで、特に狭い場所での方向転換や、ドリフト走行のきっかけを作るために用いられます。一般的には「スピンターン」とも呼ばれますが、厳密にはサイドターンはスピンターンの一種であり、より制御された技術を指します。

基本的な操作

サイドターンの基本的な操作は、以下の通りです。

1. 進入: コーナーや方向転換したい場所へ向かって、適切な速度で進入します。
2. ステアリング操作: 車を旋回させたい方向にステアリングを大きく切ります。
3. ハンドブレーキ操作: ステアリングを切ると同時に、ハンドブレーキを一気に引き上げ、後輪をロックさせます。
4. アクセル操作: 後輪がロックしてスリップを始めたら、アクセルを軽く踏み込み、エンジンの回転数を維持します。これにより、車体が回転しやすくなります。
5. カウンター: 車体が回転し始めたら、オーバーステアを修正するために、ステアリングを逆方向に切ります（カウンター）。
6. ハンドブレーキ解除: 車体が適切な角度になったら、ハンドブレーキを解除し、アクセルとステアリングで姿勢を制御しながら脱出します。

サイドターンの応用

ドリフト走行: サイドターンは、ドリフト走行のきっかけを作るためにも用いられます。進入時にサイドターンで車体を滑らせ、そのままアクセルとステアリングでドリフト状態を維持します。
ジムカーナ: ジムカーナ競技では、狭いコースを素早く走るために、サイドターンが不可欠なテクニックとなります。正確な操作で、タイムロスを最小限に抑える必要があります。

注意点

速度: サイドターンを行う際は、速度が速すぎると制御を失い、危険な状態になる可能性があります。適切な速度で進入することが重要です。
路面状況: 路面が濡れている場合や、砂利道などでは、サイドターンが容易になりますが、同時に制御も難しくなります。路面状況に応じた操作が必要です。
車両への負担: サイドターンは、駆動系やブレーキに大きな負担をかけます。頻繁に行うと、部品の劣化を早める可能性があります。

関連技術

サイドターンと関連する技術として、以下のようなものがあります。

横滑り防止装置: 近年の車両に搭載されている横滑り防止装置（ESCやESP）は、サイドターンのような意図的なスリップを抑制する機能があります。サイドターンを行う際は、ESCをオフにする必要がある場合があります。
Bootleg turn: アメリカで密造酒を運搬していた時代に生まれたテクニックで、サイドターンと同様に狭い場所での方向転換に用いられます。
スカンジナビアンフリック: コーナリング時に、意図的に車体を逆方向に振ることで、より小さな旋回半径で曲がるテクニックです。雪道や氷上など、滑りやすい路面で効果を発揮します。

サイドターンは、高度な運転技術を要するテクニックですが、習得することで、より安全に、そして楽しくドライビングを楽しむことができます。しかし、公道での無謀な運転は絶対に避けるべきです。サーキットやジムカーナなどのクローズドコースで、安全に配慮して練習するようにしましょう。

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