サイド・バイ・サイド・ローター

サイド・バイ・サイド・ローター式回転翼機

サイド・バイ・サイド・ローター式回転翼機とは、左右に大きなローターが水平に配置されたヘリコプターのことを指します。この設計は、通常のシングル・ローター式ヘリコプターが直面するトルクの問題を解決するために開発されました。シングル・ローター式では、1つの大型ローターによるねじれモーメントを打ち消すために、テール・ローターを必要としますが、このスタイルでは、2つのローターが逆方向に回転することで相互にトルクを打ち消すことができ、テール・ローターを必要としません。

この設計の大きな利点は、双方のローターが同調して逆回転しているため、一方のローターのブレードが他方のローターのブレードと衝突することがない点です。このため、安全性が高く、飛行の安定性が向上します。

また、2つのローターを使用することから、ブレードを短くすることができるため、機体の軽量化が図れ、また大きな荷物を運ぶ能力も向上します。さらに、エンジン出力をトルク打消しのために分ける必要がないため、全ての出力を推力に利用できるという効率にも優れています。

サイド・バイ・サイド方式のヘリコプターの歴史

サイド・バイ・サイド方式は、1940年代からいくつかの機種が開発されてきました。以下に、代表的なサイド・バイ・サイド式ヘリコプターを挙げます。

• - フォッケウルフ Fw 61 (1936年)
• - フォッケ・アハゲリス Fa 223 (1941年)
• - プラット・ルページ XR-1 (1941年)
• - ラントグラーフ H-2 (1944年)
• - ブラトゥヒン G-3 (1946年)
• - ブラトゥヒン B-11 (1948年)
• - カモフ Ka-22 (1959年)
• - ミル Mi-12 (1967年)
• - ミル V-16 (1960年代後半)

これらの機種は、それぞれ異なる目的や性能を持ち、サイド・バイ・サイド方式の飛行機の可能性を探求してきました。

サイド・バイ・サイド方式のティルトローター

さらに、サイド・バイ・サイド方式はティルトローター機にも適用されます。ティルトローターは飛行機の特性を持ちながら、垂直離陸や着陸が可能なため、様々な用途で活用されています。主なサイド・バイ・サイド式ティルトローターには次のような機種があります。

• - ベル XV-3
• - ベル XV-15
• - ミル Mi-30
• - V-22 オスプレイ
• - ベル イーグル・アイ
• - ベル/アグスタ BA609
• - ベル V-280

これらの開発は、航空業界における新たな可能性を広げ、効率的かつ多用途な航空機の需要に応えています。

関連項目

サイド・バイ・サイド・ローター式回転翼機に関連する技術や構造には、以下のようなものがあります。

• - 二重反転式ローター
• - 交差反転式ローター
• - 回転翼機
• - タンデムローター
• - ティルトローター

これらの技術は、航空機の運用特性を向上させ、より安全で効率的な飛行を実現するために重要です。

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