サイバーゴス

サイバーゴスについて

サイバーゴス（英: Cybergoth）は、主にアメリカやイギリスで盛り上がりを見せるファッションスタイルで、特にクラブイベントやレイヴに参加する人々に人気があります。このスタイルは、サイバーファッションとゴシックファッションの要素が組み合わさって生まれたもので、未来的でありながらも工業的かつ退廃的な印象を与えます。サイバーゴスは、独自の美学を持っており、その進化は1988年のRPGゲーム「Dark Future」から始まったとされています。この名称自体はその頃に登場しましたが、具体的なファッションスタイルとしてのサイバーゴスが形作られるのは1999年から2000年代初頭にかけてのことです。

歴史的背景

サイバーゴスのファッションは、1999年からドイツやニューヨーク、ロンドンで徐々に現れ始めました。そして、2002年頃にはその特徴が明確になり、現在私たちが知るサイバーゴスが確立されました。ファッションスタイルの成立に至るまでの道のりは興味深く、時代の流行や文化的な影響が色濃く反映されたものです。

ファッションの特徴

サイバーゴスファッションは、ゴシックファッションとサイバーファッションの異種交配によって生まれたスタイルです。このファッションは通常、黒を基調としながらも、サイバーファッションでよく見られる蛍光色をアクセントとして取り入れます。具体的には、髑髏などの死を連想させるゴシックモチーフに対して、放射能マークやバイオハザードマークなどの警告サインを用いる点が特徴的です。

また、素材にはビニールやポリエステル、ゴム、金属、そして時にはベロアやファーが使用され、電子的かつ近未来的な印象を演出します。これに加えて、ガスマスクや鋲付きの装飾品といった、退廃的で破壊的な印象を醸し出すアイテムも多く取り入れられています。

ヘアスタイル

サイバーゴスには、髪型にも独自のスタイルがあります。本スタイルでは、実際の髪の使用だけでなく、メッシュチューブやカネカロン製のヘアエクステンション、さらにはラバー製のベルトなど工業的な要素を取り入れた「ドレッドフォール」ヘアスタイルが一般的です。時にはホースや玩具の蛇が髪に用いられ、紫、黒、灰などの鮮やかで毒々しい色合いが取り入れられています。このように、髪型においても退廃的で異質な印象を強調しています。

日本における受容

日本におけるサイバーゴスは、派生元であるサイバーファッションの愛好者が少ないため、まだそれほど広く知られているわけではありません。しかし、ファッション雑誌『KERA』などが取り上げることにより、徐々に認知度が高まりつつあります。また、日本のサブカルチャーにおいてはkawaiiの文化が強く根付いており、サイバーゴスも時折ゴシック・アンド・ロリータファッションと同列に扱われることがあり、このような文化的交差が見受けられます。

サイバーゴスは、独創的なファッションスタイルであり、クラブシーンやサブカルチャーにおいて独自の地位を築いています。近未来的な美的感覚と退廃的な要素が交わるこのスタイルは、見る者に強い印象を残すことでしょう。

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