サイバーサイクルズ

サイバーサイクルズ

1995年、ゲームメーカーのナムコ（現在のバンダイナムコエンターテインメント）がアーケード向けにリリースしたバイクレースゲーム、それが『サイバーサイクルズ』です。当時のアーケード市場では、セガの『ハングオン』やナムコ自身の『スズカ8アワーズ』といった現代のバイクレースをテーマにした作品が主流でしたが、本作は近未来というSF的な世界観を大胆に取り入れた点で、異色の存在感を放っていました。

筐体とゲームシステム

ゲームセンターに設置された大型筐体は、プレイヤーの没入感を高める工夫が凝らされていました。1セットには、それぞれ独立した画面と、ライダーが実際に跨がるほぼ実物大のバイク型コントローラーが2台分配置されており、2人での対戦プレイに対応しています。さらに、筐体を2セット接続することで、最大4人での同時対戦を実現していました。本作の大きな特色であり、対戦バイクレースゲームにおいては珍しい点として、プレイヤーが使用するバイクによって性能に明確な差が設けられていることが挙げられます。

基本操作

ゲームを開始する前に、プレイヤーは自身の操るバイクと走行するコースを選択します。ゲーム中はバイク型コントローラーに跨り、実際のバイクのようにハンドル部分に備えられたアクセルとブレーキを操作して速度を調整します。カーブを曲がる際は、『ハングオン』などと同様に、車体を左右に傾けることでライン取りを行います。

レースコース

本作には性質の異なる2つのコースが用意されています。

GREEN HILL: 初心者プレイヤーに適したコースです。明るい昼間の情景が広がり、長い直線区間が多いため、ハイスピードでの走行を存分に楽しめます。
NEO YOKOHAMA: 上級者向けの難易度が高いコースです。夜のネオンきらめく都市を舞台とし、テクニカルなカーブが連続するため、繊細なマシンコントロールが要求されます。このコースでトップでゴールを果たすと、特別なエンディングシーンを観ることができます。

登場マシン

ゲーム開始時に選択できるバイクは、それぞれ性能と特性が大きく異なります。プレイヤーのスキルレベルに合わせて選ぶことが推奨されます。

アンティアス (Anthias): 初心者向けの電動バイクです。女性ライダーが搭乗しており、比較的扱いやすい性能です。
NVR750R: 中級者向けの本格的なレーサータイプ。バランスの取れた性能を持ち、幅広いプレイヤーに対応します。
* ワイルドホッグ (WILD HOG): 上級者向けのパワフルなアメリカンタイプ。他のバイクとは異なり、「ダートラ乗り」と呼ばれる独特のコーナリング（インから進入し、急角度で曲がるテクニック）を駆使することが攻略の鍵となります。

これら通常選択できる3台に加え、隠しコマンドを入力することで、さらに2種類の超上級者向けマシンと、遊び心満載の超初心者向けマシンが登場します。特に、超初心者向けマシンはペンギンがライダーを務める可愛らしい赤いスクーター（排気量50cc程度と推測される）で、このマシン専用のBGMまで用意されているというユニークさも魅力の一つです。

サウンド

本作の楽曲は、三角由里氏と佐宗綾子氏がメインコンポーザーとして手掛けました。さらに、佐野信義氏、相原隆行氏、細江慎治氏といった著名なコンポーザーもそれぞれ楽曲を提供しています。ゲームのサウンドトラックは、ビクターエンタテインメントから「ナムコ・ゲームサウンド・エクスプレス Vol.23」としてCDが発売されています。

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