サイバーニュウニュウ

サイバーニュウニュウ：イカ天から伝説へ、そして再び

1989年、日本の音楽シーンに突如として現れた異色のロックバンド、サイバーニュウニュウ。その名を一躍有名にしたのは、テレビ番組『平成名物TV 三宅裕司のいかすバンド天国』（イカ天）への出演でした。個性的なルックスと、唯一無二のサウンドで、視聴者の心を掴んだ彼らの軌跡をたどります。

結成からイカ天制覇まで

サイバーニュウニュウの前身となるバンドは、1981年に大阪で結成されました。上京後、東京のライブハウスや路上ライブで経験を積み、1989年に現在のバンド名に改名。メカニックな衣装や特殊効果を駆使したパフォーマンスは、従来のバンド像を覆すものであり、瞬く間に注目を集めました。

同年、自主レーベル「高慢レーベル」を設立し、カセットテープ『未開派野郎』をリリース。ジャケットは複数パターン存在し、テープのケースにネジが刺さるという手作り感あふれる仕様でした。収録楽曲は後の代表曲となる「ひねりつぶせ！」「ベガスのエルビスになりたい」「恋してクルパー」など、インパクト抜群のラインナップ。この作品は、後に「サイバーロック」「バグパンク」と呼ばれた彼らの音楽性を象徴するものです。レーベルからはカセットテープ以外に、ステッカーやTシャツ、フィギュアなども販売され、独自のサブカルチャーを形成しました。

イカ天への出演は、彼らのキャリアにおける大きな転換点となりました。1989年11月4日放送回で「ひねりつぶせ！」を披露し、仮キングであったカブキロックスを破り、第13代イカ天キングに輝いたのです。キャッチコピーは「チームワークで奏でるバグパンク」。しかし、翌週の挑戦で敗れ、一週間のキング在位で幕を閉じました。

イカ天後の活動と、新たな展開

イカ天出演後、ライブ動員数は増加し、人気は上昇の一途を辿りました。1990年にはイカ天とビッグコミックスピリッツのコラボ企画「イカスピ」に出演。漫画家中川いさみとのコラボレーションで、独特の世界観を展開しました。同年、4曲入りEP『すいか割り』と、初のフルアルバム『秘密のバス』をリリース。後者では、パンク色の強い前作とは異なり、退屈な日常への怒りや苦悩といった内面的なテーマが前面に出されました。楽曲も多様化し、バンドの新たな一面を見せましたが、セルフプロデュースゆえのアレンジ面での物足りなさも指摘されました。

1991年にはバンドブームの衰退とともに、活動は徐々に落ち着いていきますが、同年、イカ天の後番組である『えびぞり巨匠天国』に、彼らの楽曲を使用した映像作品が出品されるなど、音楽活動は継続しました。その後も、ビデオ映画の主題歌を担当するなど、地道に活動を続けました。

1992年、バンドとしての活動は休止。活動休止の理由は、後年、メンバーの不慮の事故によるものだと明かされました。

再起動と、そして再びの休止

2015年、YouTubeとFacebookで活動再開が発表され、復活ライブを開催。旧譜のリマスター盤や復刻版フィギュアが発売されるなど、新たなスタートを切りました。サポートメンバーを加え、ライブ活動や楽曲リリースを精力的に行い、25年ぶりのアルバム『CYBER NEW NEW』やライブDVDをリリースしました。新曲「ダイナマイト★不ユカイ」はテレビ番組のエンディングテーマにも起用されるなど、注目を集めました。

しかし、2017年5月よりレプリ・シンのライブ出演休止を経て、同年9月、再びバンド活動の休止が発表されました。メンバーそれぞれが個々の活動を続けることとなりました。

メンバー紹介

和風メカ・エルビス (G): エルビス・プレスリーを模した衣装と、煙や発光ギミックが特徴的なギタリスト。

レプリ・シン (Vo, B): リーダーであり、ボーカルとベースを担当。

セミメタルA太郎 (Dr): 2015年に加入したドラマー。

サポートメンバー 忍者ボーイヒデ: メカ・エルビスの操演者。

旧メンバー 真空管飛之助 (Dr): オリジナルメンバーのドラマー。

イカ天での評価

イカ天での彼らのパフォーマンスは、独特のビジュアルと高い演奏力で審査員や視聴者の心を掴みました。一週限りのキングでしたが、強烈なインパクトを残し、「アバンギャルドな」バンドとして評価されました。

ディスコグラフィー

アルバム、シングル、ライブアルバム、ライブDVD、コンピレーションアルバムなど、彼らの作品は多岐に渡ります。

結論

サイバーニュウニュウは、その奇抜なスタイルと高い音楽性で、日本の音楽シーンに独自の足跡を残しました。再結成を経て、再び活動休止に至った彼らの歴史は、音楽ファンにとって、これからも語り継がれる伝説となるでしょう。

もう一度検索