サイモン・ジェラン

サイモン・ジェラン：オーストラリアが生んだロードレースの英雄

サイモン・ジェラン（Simon Gerrans、1980年5月16日生まれ）は、オーストラリア、メルボルン出身の元自転車競技（ロードレース）選手です。長年にわたり世界の舞台で活躍し、数々の輝かしい戦績を残しました。

プロキャリアの幕開けとグランツール初制覇

2004年にAG2R・プレヴォワイアンス（現 AG2R・ラ・モンディアル）でセミプロとしてのキャリアをスタートさせ、翌年にはプロ契約を結びました。2008年にはクレディ・アグリコルに移籍し、ツール・ド・フランス第15ステージで、雨の中での逃げ切りを見事に成功させ、自身初のグランツール優勝を飾りました。

グランツール全制覇と主要レースでの活躍

2009年には、サーヴェロ・テストチームに移籍。ジロ・デ・イタリア第14ステージで160kmの逃げ切り勝利、ブエルタ・ア・エスパーニャ第10ステージでは、登りでのスプリントを制し勝利。これにより、全てのグランツールでの区間優勝を達成しました。また、GP西フランス・プルエーでも優勝を飾るなど、主要なワンデーレースでもその実力を発揮しました。

チーム・スカイ、そしてグリーンエッジへ

2010年にはチーム・スカイへ移籍。2012年には、オーストラリア籍のチーム、グリーンエッジに移籍し、初陣となるツアー・ダウンアンダーで、オーストラリア人メンバーのみで総合優勝を達成しました。

晩年と引退

2016年のブエルタ・ア・エスパーニャ第14ステージでは、チーム戦略が功を奏し敢闘賞を受賞。2018年にBMC・レーシングチームに移籍し、同年現役を引退しました。

主な戦績

サイモン・ジェランは、数々の主要レースで素晴らしい成績を残しています。

2005年：ツール・デュ・フィニステール 優勝、ヘラルド・サン・ツアー 総合優勝
2006年：ツアー・ダウンアンダー 総合優勝、ヘラルド・サン・ツアー 総合優勝
2007年：グランプリ・ド・プリュムレック＝モルビアン 優勝
2008年：ツール・ド・フランス 区間優勝（第15ステージ）
2009年：ジロ・デ・イタリア 区間優勝（第14ステージ）、GP西フランス・プルエー 優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャ 区間優勝（第10ステージ）
2011年：デンマーク一周 総合優勝
2012年：オーストラリア選手権 優勝、ツアー・ダウンアンダー 総合優勝、ミラノ〜サンレモ 優勝、グランプリ・シクリスト・ド・ケベック 優勝
2013年：ツール・ド・フランス 区間優勝（第3ステージ、第4ステージ・チームタイムトライアル）
2014年：オーストラリア選手権 優勝、ツアー・ダウンアンダー 総合優勝、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ 優勝、グランプリ・シクリスト・ド・ケベック 優勝、グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル 優勝、世界選手権 2位
2015年：ジロ・デ・イタリア 区間優勝（第1ステージ・チームタイムトライアル）
* 2016年：ツアー・ダウンアンダー 総合優勝

プレースタイル

パンチャータイプの選手で、登坂力とスプリント力を兼ね備えていました。特に、ワンデーレースや短いステージレースでその能力を最大限に発揮し、数々の勝利を掴みました。また、チームのために献身的に働くことも厭わず、チームプレーヤーとしても高く評価されていました。

サイモン・ジェランは、その輝かしい実績と人柄で、多くのファンに愛されたロードレース界の英雄です。

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