サーヴェロ・テストチーム

サーヴェロ・テストチーム：革新と挑戦の軌跡

サーヴェロ・テストチームは、2000年代後半に活動したプロフェッショナルコンチネンタルチームです。カナダの自転車メーカーであるサーヴェロが中心となり設立されました。チームは、その短い活動期間にもかかわらず、数々の輝かしい戦績を残し、ロードレース界に大きな足跡を残しました。

設立の背景

サーヴェロ社は、長年にわたりチームCSCに機材を供給していましたが、プロロードレース界の経済状況の変化を理由に、独自のチームを設立することを決意しました。2008年8月28日、サーヴェロは新しいチームの設立を発表し、その運営母体には、すでにサーヴェロの女子ロードレースチームを運営していたサイクリング・ユナイテッド・レーシングが選ばれました。

チームの軌跡と戦績

2009年、サーヴェロ・テストチームはUCI（国際自転車競技連合）管轄のレースにデビュー。ツアー・オブ・カタールではロジャー・ハモンドがステージ優勝、トル・フースホフトがポイント賞を獲得するなど、鮮烈なデビューを飾りました。その後も、ツアー・オブ・カリフォルニアやパリ〜ニースといった主要レースでフースホフトがステージ優勝を重ね、クラシックレースでも上位入賞を連発しました。

チームのグランツール初挑戦は、2009年のジロ・デ・イタリアでした。ここでは、サイモン・ジェランが第14ステージ、カルロス・サストレが第16ステージと第19ステージの山岳ステージ、イグナタス・コノヴァロヴァスが最終第21ステージの個人タイムトライアルを制し、チームの総合的な実力を証明しました。また、ツール・ド・フランスでは、フースホフトとハインリヒ・ハウスラーがそれぞれステージ優勝を果たし、フースホフトはポイント賞であるマイヨ・ヴェールも獲得しました。さらに、GP西フランス・プルエーではジェランが優勝、ブエルタ・ア・エスパーニャではジェランとフィリップ・ダイグナンがそれぞれステージ優勝を飾りました。

これらの実績により、サーヴェロ・テストチームは、グランツールを含むすべての主要レースに招待されるようになり、UCIワールドカレンダー2009の全24レース中18レースにワイルドカードで出場しました。チームランキングでは7位に入る健闘を見せ、グランツールでのステージ8勝は、チーム・コロンビア - HTCに次ぐ2位という素晴らしい成績でした。

短い活動期間と解散

しかし、2010年に入り、チームは大手スポンサーの獲得によるチーム名の変更を示唆しましたが、同年8月26日、2010年シーズン限りで解散することが決定しました。その後、サーヴェロは、2011年シーズンからガーミン・サーヴェロとして、ガーミンが主体となって運営されているチームの運営に加わることになりました。

主な実績

2009年

GP西フランス・プルエー 優勝：サイモン・ジェラン
ツール・ド・フランス
区間優勝：トル・フースホフト、ハインリヒ・ハウスラー
ポイント賞：トル・フースホフト
ジロ・デ・イタリア
区間優勝：サイモン・ジェラン、カルロス・サストレ（2回）、イグナタス・コノヴァロヴァス
ブエルタ・ア・エスパーニャ
区間優勝：サイモン・ジェラン、フィリップ・デニャン
ドイツ選手権 ロードレース 優勝：マルティン・ライマー
リトアニア選手権 個人タイムトライアル(ITT) 優勝：イグナタス・コノヴァロヴァス
ノルウェー選手権 ロードレース 優勝：トル・フースホフト

2010年

ツール・ド・フランス
区間優勝：トル・フースホフト
ブエルタ・ア・エスパーニャ
区間優勝：トル・フースホフト
ロードレース世界選手権
ロードレース 優勝：トル・フースホフト
リトアニア選手権 個人タイムトライアル(ITT) 優勝：イグナタス・コノヴァロヴァス

サーヴェロ・テストチームは、わずか2年という短い活動期間でしたが、ロードレース界に大きなインパクトを与えました。革新的な機材と優秀な選手たちの活躍により、数々の勝利を収め、多くのファンを魅了しました。その功績は、今もなお語り継がれています。

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