サイレントプライド

サイレントプライド(Silent Pride)は、2003年生まれの競走馬。その馬名の通り、静かに、そして誇り高く、数々のレースを駆け抜けた名馬である。2008年のダービー卿チャレンジトロフィーと富士ステークスを制覇するなど、華々しい戦績を残した。

デビューは2歳時の2005年。初戦こそクビ差の2着に惜敗するも、続くレースで初勝利を飾る。しかし、その後、骨折による長期休養を余儀なくされた。

3歳時は復帰戦で4着とまずまずの走りを見せるも、その後も骨折に見舞われ、思うようにレースに出走できない時期が続いた。それでも持ち前の潜在能力と、関係者たちの献身的なケアにより、4歳時にはオープン入りを果たす。ダービー卿チャレンジトロフィーでは4着、新潟大賞典では2着と好成績を収め、実力を示した。しかし、その後も勝ち星には恵まれず、降級を経験した。降級初戦では見事勝利を収め、再びオープン入りを果たす。しかし、その後は馬インフルエンザの影響でレースが延期されたり、思わぬ低迷を経験したりと、波乱万丈のキャリアであった。

4歳時の秋には、ディセンバーステークスで勝利を掴み、復活を印象付けた。

5歳を迎えると、中山金杯、東京新聞杯と連敗を喫するも、ダービー卿チャレンジトロフィーで重賞初制覇。そして秋には富士ステークスを制し、重賞2勝目を飾る。マイルチャンピオンシップでは惜しくも14着に終わったものの、その活躍は多くのファンを魅了した。

6歳シーズンは、ダービー卿チャレンジトロフィー、富士ステークスと連覇を目指して出走するも、思うような結果を残せず、武蔵野ステークスを最後に引退を迎えた。

サイレントプライドの半兄には、2005年のエプソムカップ優勝馬スズノマーチがいる。また、近親にはエリザベス女王杯を制したクィーンスプマンテもおり、良血馬であることがわかる。

引退後は千葉県香取市の北総牧場で乗馬として第二の人生を歩んでいる。2021年には、歌手で馬術競技選手でもある華原朋美さんが、息子さんと共にサイレントプライドに騎乗している様子をSNSに投稿し、話題となった。

2008年度のJRAブランドCFでは、ディセンバーステークス優勝時の映像が使用されるなど、その活躍は広く知れ渡っている。サイレントプライドは、数々の困難を乗り越え、重賞レース2勝を含む輝かしい成績を残した競走馬として、競馬史にその名を刻んだ。その静かな誇り、そしてひたむきな走りは、多くの競馬ファンの記憶に深く刻まれている。

数々の試練を乗り越え、数々の栄光を掴んだサイレントプライドの物語は、競走馬としての成功だけでなく、困難に立ち向かうことの大切さ、そして努力を続けることの素晴らしさを教えてくれる、感動的な物語と言えるだろう。競走馬としてだけでなく、引退後も人々に愛され続けるその存在は、まさに「静かな誇り」そのものである。

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