サウジアラビアの歴史

サウジアラビアの歴史：建国から現代まで

サウジアラビアの歴史は、18世紀半ば、宗教改革者ムハンマド・ブン・アブドゥルワッハーブと地方指導者ムハンマド・ブン・サウードの協力による建国から始まります。この協力関係は、サウード王朝の基礎となり、以後、サウード家はオスマン帝国やエジプト、そして半島内の有力者たちとの間で、勢力争いを繰り広げました。勢力図は時代とともに変遷し、サウード家の支配は一時途絶えることもありました。

1902年、アブドゥルアズィーズ（イブン・サウード）がリヤドを奪還したことで、サウード家の復権が始まりました。その後、彼は各地で勝利を重ね、1926年にはヒジャーズ地方、1927年にはナジュド地方を掌握。1927年、イギリスはアブドゥルアズィーズをこれらの地方を統治する王として承認しました。そして1932年、現在のサウジアラビア王国を構成する地域がアブドゥルアズィーズの下に統合されたのです。

確立期と石油の発見

建国間もない1938年、王国領内で石油が発見されました。この石油資源は、サウジアラビアを富裕な国へと変貌させ、経済発展の礎となりました。アブドゥルアズィーズ国王の死後、サウードが王位を継承しましたが、1964年に退位。その後、ファイサル国王が即位し、国王が首相を兼務するという伝統が確立されました。ファイサル国王は経済発展政策を推進し、イエメン問題への対応、六日間戦争における経済援助、そしてオイルショックにおける石油輸出停止など、多くの重要な政治的決定を下しました。

近代化と国際関係

1975年、ファイサル国王が暗殺され、ハーリド国王が後を継ぎました。ハーリド時代には、サウジアラビアの国際的な影響力と経済成長は持続しました。その後、ファハド国王の時代には、石油価格の下落による経済問題への対応や、イラン・イラク戦争への関与、そして湾岸戦争への対応などが大きな課題となりました。湾岸戦争では、サウジアラビアへの多国籍軍の駐留を許可したことが、後にアルカイダなどのイスラム過激派の反発を招くことになります。ウサマ・ビン・ラディンもその一人であり、サウジアラビア政府の政策に反対し、国外追放されました。2001年のアメリカ同時多発テロ事件では、犯行に関与した容疑者の多くがサウジアラビア出身者であったことが明らかになり、サウジアラビアは国際社会から厳しい批判を受けました。

国境問題

サウジアラビアは、建国以来周辺諸国との国境画定に努力してきました。イラク、ヨルダン、クウェートとは国境問題を解決していますが、アラブ首長国連邦およびオマーンとは、現在も未確定のままです。特に、イラク、クウェートとは中立地帯を設けることで解決しています。また、イエメンとは1934年に国境画定がほぼ完了し、ヨルダンとは1965年に領土交換で合意に達しています。カタールとの国境問題は2001年に解決済みです。

まとめ

サウジアラビアの歴史は、宗教、政治、経済、そして国際関係が複雑に絡み合った激動の時代でした。石油資源の発見による富の急激な増加は、経済発展をもたらしましたが、同時に国内外での様々な問題を引き起こしました。現在も、国際社会におけるサウジアラビアの役割は非常に重要であり、その歴史的背景を理解することは、現代の国際情勢を理解する上で不可欠です。今後、国境問題やテロとの関連など、多くの課題がサウジアラビアを待ち受けています。

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