サウジ証券取引所

サウジ証券取引所（タダウル）について

サウジ証券取引所、通称タダウルは、サウジアラビアの証券市場であり、国内で唯一の正式な取引所として機能しています。タダウルは、アラビア語で「取引」を意味し、特にサウジアラビアの資本市場の中心的な役割を果たしています。この取引所は、2007年3月19日に設立され、これによりサウジアラビア国内の株式取引は全面的にタダウルに集中することとなりました。それ以前の1954年には非公式に設立された取引所も存在していましたが、正式な証券取引所としての地位はタダウルが確立しています。

設立当初は14社の上場企業が存在していましたが、その後、1980年には公的な法人名のもと、記名株式の発行を開始。このようにして、サウジアラビアの法人としての基盤を整え、発展を遂げていきました。さらに、2018年には自己規制機関としての体制が確立し、取引所の運営はより効率的かつ透明性のあるものとなりました。

2020年の年末時点では、タダウルには203社が上場しており、中東と北アフリカ地域の最大の株式市場とされています。また、世界全体でも9番目に大きな市場規模を誇っています。タダウルでの取引時間は、日曜日から木曜日の午前10時から午後3時10分までであり、サウジアラビアの祝日には取引が行われません。

2017年には、新興企業向けの市場としてサウジパラレル市場が設立され、上場要件が緩和されました。これにより、成長が期待される企業も市場に参加しやすくなり、全体としての市場活性化が図られています。代表的な株価指数であるタダウル全株指数は、2006年に最高値20,634.86を達成した実績があります。

タダウルは国際的な協力機関とも提携しており、IOSCO（証券監督者国際機構）の協力会員や、WFE（国際取引所連合）、AFE（アラブ取引所連盟）にも加盟しています。また、その資本金は120億サウジリヤル（約320億円）で、120百万の同額の株式が発行されています。タダウルの全額出資者はパブリック・インベストメント・ファンド（PIF）であり、証券決済センターのMuqassaや証券保管センターのEdaaを完全子会社として持っています。さらにタダウル不動産会社の20%の株式を保有しており、金融分野での影響力を強化しています。

今後もタダウルは、サウジアラビアの経済成長をサポートしつつ、投資家に対して新たなチャンスを提供し続けるでしょう。このような背景のもと、サウジ証券取引所は中東における投資の中心地としての地位を確立していくことが期待されています。

もう一度検索