サウスダコタ (装甲巡洋艦)

アメリカ海軍の装甲巡洋艦サウスダコタ

サウスダコタ（USS South Dakota, ACR-9）は、アメリカ海軍における著名な装甲巡洋艦の一隻であり、ペンシルベニア級の艦船です。艦名は南部の州であるサウスダコタにちなんで名付けられ、これがこの名を持つ艦の二代目となりました。

艦歴の始まり

サウスダコタの艦建造は1904年にカリフォルニア州サンフランシスコのユニオン鉄工所で始まりました。1904年7月21日、サウスダコタ州知事チャールズ・N・ハーレイドの娘であるグレース・ハーレイドによって命名され、進水しました。正式就役は1908年1月27日で、艦長ジェームズ・T・スミス大佐の指揮下で太平洋艦隊に配属されました。

初期の任務

就役後、サウスダコタは1908年の夏に西海岸沖での巡航を開始しました。8月にはサンフランシスコを出航し、サモア方面へ航海し、その後南アメリカ海域での作戦活動に従事しました。さらに1909年には装甲巡洋艦隊の一員として西方への展開を行い、アドミラルティ諸島やフィリピン、日本、中国の港を訪問。1910年1月31日にホノルルに帰還しました。

2月には姉妹艦テネシー（USS Tennessee, ACR-10）と合流し、特別任務部隊を形成。南アメリカ沿岸での巡航をする中で、年末には太平洋に戻りました。1911年には太平洋岸での任務が続き、12月には再び装甲巡洋艦戦隊と共に巡航を開始し、カリフォルニアからハワイ、マリアナ諸島、日本を訪問しました。

1913年12月30日にはピュージェット・サウンド海軍工廠で予備役となりましたが、翌年1914年4月には太平洋艦隊予備役部隊から再び実戦に参加しました。メキシコ水域の巡航やハワイ訪問を経て、1915年には再度予備役となりました。

第一次世界大戦とその後

1917年にアメリカが第一次世界大戦に参戦すると、サウスダコタは大西洋に配備されました。1917年4月12日にブレマートンを出航し、5月29日にはパナマのコロンで他の艦艇と合流し、南大西洋で哨戒任務に従事しました。停戦後、サウスダコタはフランスから帰還兵を運ぶ任務を行い、1919年夏にはアジア艦隊の旗艦となりました。

その後、1919年にはマニラに到着し、1920年にはヒューロン（USS Huron, CA-9）に改名された後、艦種が変更されました。ヒューロンはアジア艦隊で7年間活動し、さまざまな任務を遂行しました。

退役と除籍

1926年には帰還を命じられ、1927年にピュージェット・サウンドに到着後、退役しました。1929年11月15日には正式に除籍され、1930年にはロンドン海軍軍縮条約に従い、売却されました。その艦体は最終的には防波堤として利用されることになり、1961年には嵐によって沈没しました。

残骸は現在でも海底にあり、その一部はテクサダ島に漂着しているという興味深い現象が確認されています。サウスダコタの歴史は、海軍の発展と共にその姿を変えてきた艦船の物語を語っています。

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