サウスチャイナ・モーニング・ポスト

サウスチャイナ・モーニング・ポストについて

概要

サウスチャイナ・モーニング・ポスト（South China Morning Post、南華早報）は、香港に拠点を置く日刊の英字新聞です。1903年に創刊されたこの新聞は、もともと中国語で「南清早報」という名でスタートしましたが、辛亥革命に伴って中華民国が成立した1912年以降、1913年からは現在の名称に変更されました。英語名は変更されず、長きにわたり香港の英語話者の間で信頼される情報源としての地位を確立しています。

新聞の発行部数は、2006年時点で約10万4,000部に達し、特に日曜版は約8万部の発行があります。1996年からはオンライン版も提供されており、紙の版には学生向けの割引も用意されています。

歴史的背景

サウスチャイナ・モーニング・ポストは、歴史的にイギリス植民地時代に成立したため、当初は香港政庁に近い立場で報道を行っていました。1987年にルパート・マードックのニューズ・コープに買収された後、1993年にはマレーシアの実業家ロバート・クオックのケリー・メディア社の傘下となり、さらに2015年には馬雲のアリババグループに買収されました。これらの変遷が報道の独立性にどのように影響しているかが注目されています。

論調と影響

サウスチャイナ・モーニング・ポストは、長年にわたり政権寄りの報道が指摘されてきました。特にイギリス植民地時代には、香港政庁に対する支援的な立場を強調する記事が多く、多くの官僚がコメントを寄せていました。その後、郭鶴年による買収以降は、中国政府に親和的な報道傾向が見受けられ、一部のコラムニストや特派員が解雇されたことからも、その指摘がなされるようになりました。しかし、同紙は、過去の検閲を経た上でも、香港の民主化を求めるデモに関する広告を掲載するなど、政府に完全に迎合するスタンスではないと評価されています。

これにより、サウスチャイナ・モーニング・ポストは、香港における重要な情報源であり続けています。さらに、中国共産党の人事報道には定評があり、その点でも専門的な報道が期待されています。

国内外の反響

多様な視点からの報道が求められる中、サウスチャイナ・モーニング・ポストはその存在意義を問われ続けています。特に、エドワード・スノーデンの事件など、国際的な関心を集めるトピックについては、しばしば独自のアプローチをとることで注目されています。それでも、政府との関係が言論の自由や報道の自立性に与える影響については、依然として多くの議論が存在します。

このように、サウスチャイナ・モーニング・ポストは、香港における報道の自由や人権に関する議論に欠かせない存在となっています。今後もその報道がどのように展開されていくのか、引き続き注目が集まります。

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