サウダージ (曲)

サウダージ - ポルノグラフィティ

ポルノグラフィティが2000年にリリースしたシングル「サウダージ」は、彼らの代表曲として広く知られています。サウダージは、ポルトガル語で「郷愁」「やるせない思い出」を意味する言葉で、この曲はその名の通り深い感情を描いています。

概要

本作は、前作「ミュージック・アワー」からわずか2ヶ月でのリリースであり、オリコン週間シングルランキングでは初登場2位を記録。その後、翌週には初動を上回る売上を達成し、ポルノグラフィティにとっての初めての1位を獲得しました。合計12週にわたりトップ10入りし、特に年末年始には再びランクインするなど、非常に高い人気を誇りました。このシングルは、出荷ベースでミリオンセラーを達成し、当時のポルノグラフィティの起爆剤となりました。彼らはこの成果に対し期待していたお祝いよりも、同時期に他のアーティストがさらに大きなヒットを飛ばしていたため、謙虚さを求められる状況に直面しました。

楽曲解説

サウダージ

「サウダージ」は、そのラテンサウンドが特徴の楽曲で、実は大塚製薬のポカリスエットのCMソング用に制作されたものでした。しかし、最終的に大塚製薬は本作ではなく前作を選定しました。そんな中実施された『ポカリスエット MUSIC LEAGUE 2000 ザ・ライブ!』でこの曲を披露した際、大塚側が気に入り、後にCMに起用されることとなりました。

作詞を担当した新藤は、サウダージという言葉がボサノヴァ系のCDによく見られる言葉であり、自身には馴染みがなかったと語っています。歌詞は女性の視点で展開されますが、実際には男性の心情を表現しています。新藤はこの選択に、「女性言葉で感情を表現する方がより生々しい」との思いがあったためと述べています。さらに、この曲の歌詞カードは、当時アミューズに所属していた山本未來の手書きで表現されるなど、独特の工夫も凝らされています。

ミュージックビデオ

この曲のミュージックビデオは、時間の無情さと人生の晩年との対比がテーマとなっており、メンバーが特殊メイクで老化した姿を見せる演出が特徴的です。歌詞が英訳された手紙を読むシーンもあり、より深く意味が込められています。監督はこれまでの作品と同じく板屋宏幸が担当しています。

ライブパフォーマンス

「サウダージ」は、2000年の『東京ロマンスポルノ Vol.4 "横G"』で初披露され、その影響力はホールツアー『2ndライヴサーキット "D4-33-4"』でも感じられました。さらには、『第51回NHK紅白歌合戦』でも披露され、国民的な人気も獲得しました。また、2021年の『THE FIRST TAKE』では特別アレンジ版が公開されて話題を呼び、その後音源化もされています。

その他の収録楽曲

シングルには他にも「見つめている」や「冷たい手 〜3年8ヵ月〜」、さらには「Search the best way」など、多彩な楽曲が収められています。特に「見つめている」は、ストーカーや異常愛というテーマを扱い、岡野昭仁による初の両方の作詞・作曲が注目されました。また、「冷たい手 〜3年8ヵ月〜」は同一メロディの楽曲として新たな形で提示されています。

タイアップ

「サウダージ」は、TBS系の『ワンダフル』ミニドラマの主題歌としても起用され、大塚製薬のミュージックリーグver. CMにおいても使用されました。さらにリリースから時間が経過した後も、『ReLIFE』のエンディングテーマとして再び注目を集めました。

ポルノグラフィティの「サウダージ」は、彼らの音楽的な冒険と感情の深さを表現した名曲であり、多くのリスナーに愛され続けています。

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