サキシマハブ

サキシマハブとは

サキシマハブ（学名：Protobothrops elegans）は、クサリヘビ科ハブ属に属する有毒なヘビで、日本の先島諸島に主に生息しています。この種は先島波布や先島飯匙倩とも呼ばれており、美しい体色や独特の模様から、観察する人々に魅了されています。特に八重山列島においてその生息が確認されており、一部の地域ではその存在が知られています。

分布

サキシマハブは八重山列島に特有の種とされ、与那国島や波照間島を除く地域で見られます。沖縄本島の南部には、薬用目的で持ち込まれた個体が逸出しており、その影響で若干の分布の広がりが見られます。特に宮古島においては、2013年に平良港近くで捕獲された1個体が報告され、さらに2024年には死骸が港周辺で見つかりました。これらの事例は、貨物に紛れ込んできた可能性が高いと考えられています。そのため、沖縄県庁は地域における定着を警戒しており、ハブ捕獲器を設置するとともに、抗毒素を沖縄県立宮古病院に導入しています。

形態

サキシマハブの大きさは全長60から120センチメートル、頭胴長は50から100センチメートル程度で、雌雄差は見られません。体色は褐色から灰褐色で、暗褐色の鎖状斑紋が施されていますが、個体によっては斑紋が不明瞭な場合もあります。種小名である「elegans」は「優雅な」という意味を持ち、その美しさを表現しています。サキシマハブの毒性はハブよりも弱いとされていますが、噛まれた場合には重篤な症状を引き起こすことがあるため、注意が必要です。また、体鱗は23から25列で構成されています。

生態

サキシマハブは平地から山地にかけて生息し、主に地表で生活しますが、樹上に登ることもあるため、その適応能力の広さが伺えます。夜行性であり、主に動物を食べるため、食性は肉食です。獲物には哺乳類、トカゲ、カエルなどが含まれ、死体を食べることもあります。

繁殖期は7月頃にあり、1回の産卵で3から13個の卵を産む卵生の繁殖形態を採ります。この沖縄の環境では、ハブとサキシマハブの交雑個体も確認されています。このように多様な生態系の中で、サキシマハブは重要な役割を果たしています。

サキシマハブはその特異性や美しさから、多くの人に関心を持たれていますが、同時にその毒性も考慮し、適切に理解されることが重要です。

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