サグラモール

サグラモールの冒険と魅力

サグラモール（Sagramore）は、アーサー王伝説の円卓の騎士として広く知られており、多くの異名を持つ「勇猛なる」や「望み強き」など、彼の特徴を反映した称号が存在します。彼はクレティアン・ド・トロワなどの初期のアーサー王物語に頻繁に登場し、その存在感は作品により異なるものの、常に重要なキャラクターとして描かれています。

ランスロ＝聖杯サイクルにおけるサグラモール

このサイクルでの彼は、ハンガリー国王と東ローマ皇帝の娘との間に生まれ、帝位継承者としての背景を持っています。若い頃に父親を失った彼は、母親と共にブリテンに渡ります。そこで、アーサー王と出会い、サクソン人との戦いに身を投じていきます。ガウェインとその兄弟たちの協力を受けながら、サグラモールはアーサー王の騎士として叙勲を受けることになりました。

彼の勇敢さは際立っており、戦闘中は常に何かに逆上する性格を持ち合わせています。この点において、アイルランドの英雄クー・フーリンとの共通点も見られます。戦闘が終息すると、サグラモールは戦の疲労や空腹から倒れてしまい、その様子はまるでてんかんを患う者のようだとされ、サー・ケイから「若き屍」というあだ名を贈られます。彼の数々の冒険の物語の中で、特に乙女を救う場面では中心的な役割を果たします。

家族と死

アーサー王の宮廷で育った女性との間に娘を持つサグラモールですが、彼の異父妹である美しいクレアとのエピソードも興味深いものです。クレアは騎士ボールスと恋に落ち、彼との間に白のエリアンを出産します。サグラモールはカムランの戦いでモードレッドに命を奪われることとなりますが、彼は戦いの最後まで生き延びた騎士の一人として、その名を残しています。

後期の作品におけるサグラモール

後期流布本サイクルでは、サグラモールの背景は大きく異なります。彼の両親は、アーサー王を始めとする予言において重要な役割を果たすモードレッドを海から救い出し、彼をサグラモールの継兄弟として育てるのです。また、散文のトリスタンでは、サグラモールがトリスタンの親友として描かれ、彼の死の危険を他の騎士たちに警告する役割も果たします。

トマス・マロリーの『アーサー王の死』においては、サグラモールの力と能力は場面によって変動し、時には強力な対戦相手となることもあれば、馬上槍試合では敗北することもあるという、一筋縄ではいかないキャラクターとして描かれています。一方で、ドイツ語のロマンスである『ゼグレモルス』では、彼の冒険が妖精が支配する島という異なる舞台で繰り広げられます。

現代におけるサグラモールの姿

サグラモールは現代文学やメディアにも広く描かれており、アルフレッド・テニスンの作品「マーリンとヴィヴィアン」では、部屋を間違えて少女のベッドに潜り込むというコミカルなエピソードが展開され、名声を守るために婚約することになったりします。このように、彼のキャラクターは緊張感だけでなく、ユーモアも含んだ多面的なものとして読み取ることができます。

また、ミュージカル『キャメロット』や1949年の映画『アーサー王宮廷のコネティカット・ヤンキー』、バーナード・コーンウェルの『小説アーサー王物語』でも彼の姿が描かれ、さまざまな解釈やイメージが広がっています。サグラモールは単なる騎士という枠を超え、重要な存在としてアーサー王伝説に刻まれているのです。

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