ササノハベラ属

ササノハベラ属について

ササノハベラ属（Pseudolabrus）は、スズキ目ベラ科に分類される魚類の一群で、海洋の環境に生息します。世界中で10種類の有効な種が知られており、日本ではその中の2種類が確認されています。群れをなして泳ぐ姿は非常に美しく、色彩豊かな体色が特徴です。多くの種は、丸みを帯びた体型と強い歯を持っており、これらの特徴がこの属の魚の見分け方の一つとなります。

属の特徴

ササノハベラ属に特有な特徴として、背鰭は一般に9棘と11～13の軟条を持ち、臀鰭は3棘と10の軟条を有しています。さらに、胸鰭は12～14枚の軟条で構成されています。多くのグループが南太平洋に広く分布している一方、北太平洋には限られた地域でのみ確認されることが特徴です。特に、北西部ではこの属に属する2種類が生息していることが知られています。

種の一覧

Kuiterによる分類に基づき、ササノハベラ属に属する種は以下の通りです。これらの魚はそれぞれ異なる地域に生息し、独自の特性を持っています。

• - レッドバンドラス (Pseudolabrus biserialis) - オーストラリア沿岸に分布する種。
• - アカササノハベラ (Pseudolabrus eoethinus) - 日本にも見られる種。
• - ゲイズラス (Pseudolabrus gayi) - チリ特産の魚。
• - ギュンターズラス (Pseudolabrus guentheri) - オーストラリア近海に生息する。
• - フエンテスラス (Pseudolabrus fuentesi) - イースター島の特産種。
• - ラクレンタスラス (Pseudolabrus luculentus) - 詳細情報は限られる。
• - クレナイベラ (Pseudolabrus miles) - ニュージーランド周辺の種で、日本にはいない。
• - ロージーラス (Pseudolabrus psittaculus) - オーストラリア及びタスマニアで見られる。
• - イースターアイランドラス (Pseudolabrus semifasciatus) - ラパ島の種。
• - ホシササノハベラ (Pseudolabrus sieboldi) - 日本沿岸に分布する。

「ササノハベラ」について

従来「ササノハベラ」という名前で知られていた種は実際には2つの異なる型に分かれており、現在ではアカササノハベラとホシササノハベラとして認識されています。特に、Pseudolabrus japonicusという学名は、もとは日本のベラの種と特定されていないため、使用が適当でないとされています。このため、アカササノハベラはPseudolabrus eoethinusに、ホシササノハベラは新たに記載された種として扱われています。混乱を避けるため、従来の標準和名「ササノハベラ」はルール上、現在では用いられないことになりました。

結論

ササノハベラ属の魚は、見た目の美しさや生態の興味から、多くの研究者や愛好家に注目されています。この属に含まれる各種は、それぞれの環境にうまく適応し、特有の生態系の一部を形成しています。情報を正確に理解し、識別することが重要であり、この知識は今後の学術的な研究や保護活動、さらには水族館などでの展示に役立つでしょう。

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