サザエさんとエプロンおばさん

映画『サザエさんとエプロンおばさん』の詳細

『サザエさんとエプロンおばさん』は、1960年12月25日に日本で公開された映画で、製作は宝塚映画製作所、配給は東宝が手掛けました。この作品は、同じ作家である長谷川町子の原作によるクロスオーバー作品であり、シリーズ第9作目に当たります。特徴的な色合いで撮影され、東宝スコープが使用されています。

概要

本作は、エプロンおばさんとの共演を描いており、物語ではフグ田家の子供タラオが3歳に成長している時期が設定されています。過去の作品ではタラオの誕生に焦点が当てられていましたが、本作では彼の日常生活にスポットが当たる形となっています。前作である「サザエさんの赤ちゃん誕生」では、フグ田家はマスオの会社の社宅に住んでいましたが、本作では磯野家と同居しています。

映画の中で描かれる旅行シーンは、金閣寺や平安神宮など、京都の名所を訪れる場面が登場します。共演者には宝塚映画作品によく出ている高島忠夫や、若手の藤田まことが名を連ねています。特筆すべきは、当時5歳の頭師佳孝が出演していることで、彼は後の黒澤明監督の映画『どですかでん』で六ちゃんを演じています。この作品は、ノリ吉役を演じた実兄・頭師正明との共演が実現した稀少な機会となっています。

ストーリー

物語は、タラオの誕生日パーティーから始まります。磯野家は盛大にお祝いの準備を進めていましたが、マスオが仕事の都合で帰宅できなくなるという連絡が入り、サザエは落胆します。しかし、大阪に住むマスオの叔父・西野万造一家からの誘いを受け、タラオを両親に見てもらうことにしました。サザエは大阪を訪れますが、期待に反してマスオは京都での仕事が続くことを知ります。

サザエは再度京都へ向かい、そこでようやくマスオと再会します。しかし、マスオの仕事は京都支店の新築に伴う土地の立ち退きをめぐるもので、特に「エプロンおばさん」が経営する下宿屋の立退きが問題となります。サザエはこの状況を解決するために、その下宿屋の女中として潜入し、おばさんの気を引くことにします。

おばさんはサザエに好意を寄せますが、サザエが独身であると誤解。結婚の話が持ち上がる中、おばさんは真実を知り、サザエを立ち退かせようとします。しかし、そこでおばさんの息子が帰省し、波平が勤務する「日の丸電機」に行くことが分かると、おばさんは東京に引っ越す決断をします。そして、物語は無事に進展していきます。

スタッフ

この映画の製作には杉原貞雄が関わり、監督は青柳信雄が担当しました。また、脚本には笠原良三と蓮池義雄が名を連ねています。音楽は神津善行が手掛け、多彩なスタッフによって映像化されました。

キャスト

フグ田サザエ役には江利チエミが、フグ田マスオ役には小泉博が配役されています。他にも清川虹子、藤原釜足、白田肇などが名を連ね、物語のストーリーに深みを加えています。特にエプロンおばさん役の三益愛子の存在が印象的です。

この映画は、サザエさんシリーズの中でも特に観客に訴えかける内容となっとり、ファンにはたまらない一作となっています。

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