サザエさんの赤ちゃん誕生

映画『サザエさんの赤ちゃん誕生』

『サザエさんの赤ちゃん誕生』は、1960年2月28日に公開された日本の映画で、シリーズ第8作目にあたります。この作品は、サザエさんの家庭に新たに誕生した赤ちゃん、タラオを中心に巻き起こる騒動をユーモラスに描き出しています。製作は宝塚映画製作所（後の宝塚映像）で、配給は東宝が担当しました。また、カラー映像で東宝スコープにより制作されています。

物語の概要

サザエに男の赤ちゃんが無事に生まれ、彼の名前は「タラオ」と名付けられます。病室には父であるマスオや磯野家のメンバー、さらにマスオの妹であるタイ子も見舞いに訪れ、赤ちゃんの誕生を祝います。しかし、物語の中ではタラオの健康に関する不安も生じます。タイ子の恋人である辰野乙彦が登場し、彼がタラオを診察することになりますが、そこで出た「日本脳炎の恐れ」や「小児麻痺の可能性」といった言葉が家族を一時騒然とさせます。これを受けて、母である舟はショックを受けて倒れるものの、実は全てはサザエと辰野の演技によるものでした。

その後、辰野とタイ子は婚約することが決まり、物語はさらに展開を見せます。数日が経過し、タラオの世話に専念しているサザエに対し、マスオは次第に不満を募らせていきます。そこで舟は、二人が温泉旅行に行くことを提案し、タラオを預かることにします。旅行の間もタラオのことが気にかかり、マスオは、帰宅途中に電話をかけると、「ワカメがタラオを抱いたまま、どこかに消えた」と慌てた報告を受けて戻ります。しかし、磯野家に戻ったマスオたちを待っていたのは、みんなゆったりとした時間を過ごしている平和な日常の光景でした。

スタッフとキャスト

この映画は、杉原貞雄の製作のもと、青柳信雄が監督を務めています。原作は長谷川町子によるもので、脚本は笠原良三と蓮池義雄が担当しています。音楽は神津善行が手がけるなど、豪華なスタッフが揃っています。

主要キャストには、江利チエミ（フグ田サザエ）、小泉博（フグ田マスオ）、藤原釜足（イソ野波平）、清川虹子（イソ野フネ）などが名を連ねており、それぞれのキャラクターに深みを与えています。同様に、サブキャストとしてタイ子役の白川由美や辰野役の江原達怡など、個性的な役者たちが作品を彩っています。

同時上映

この映画は『嵐を呼ぶ楽団』が同時上映されており、こちらは井上梅次が監督を務め、宝田明が主演しています。

『サザエさんの赤ちゃん誕生』は、家族の絆や日常の温かさをユーモラスに描いた作品で、今日でも多くのファンに愛されています。

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