サザン (列車)

南海電鉄特急「サザン」：大阪と和歌山を結ぶ快適な旅

概要

南海電鉄が運行する特急「サザン」は、大阪難波駅から和歌山県和歌山市駅、和歌山港駅を結ぶ特急列車です。指定席と自由席の車両を連結し、快適な旅を提供しています。最速で難波駅から和歌山市駅まで58分、和歌山港駅まで66分と、短時間での移動が可能です。和歌山港駅では南海フェリー徳島航路と接続し、四国へのアクセスも良好です。列車名は、南海本線が大阪のミナミと和歌山を南大阪・泉南地域を経由して結ぶ路線であることに由来し、未来への発展性を象徴しています。ロゴマークは南十字星をモチーフとしています。指定席利用には座席指定券が必要で、料金は大人520円、小児260円です。

運行形態

「サザン」は通常、座席指定車4両と自由席車4両の計8両編成で運行され、「一部座席指定」として案内されます。過去には、ラッシュ時を中心に全車両座席指定の列車や、全車自由席の特急も運行されていました。2012年4月のダイヤ変更以降は、全特急列車が「サザン」に統一されましたが、東日本大震災の影響で一時的に自由席特急が運行された時期もありました。 運行開始当初の難波駅～和歌山市駅間の所要時間は54分でしたが、停車駅増加に伴い、現在は60分弱となっています。朝夕ラッシュ時には、急行列車と同程度の所要時間となる場合もあります。 2005年11月26日までは、奇数号車と偶数号車で開閉するドアが異なっていましたが、泉佐野駅の高架化完成に伴い、全ドアが開閉されるようになりました。

停車駅

「サザン」の停車駅は、難波、新今宮、天下茶屋、堺、岸和田、泉佐野、尾崎、みさき公園、和歌山大学前、和歌山市、和歌山港です。 過去には、正月三が日には初詣客対応のため住吉大社駅に臨時停車したり、泉大津フェニックスでのイベント開催時には泉大津駅に臨時停車することがありました。

使用車両

「サザン」に使用される車両は、座席指定車にはリクライニングシートを備えた車両、自由席車にはロングシートの車両が使用されます。座席指定車の快適さは特急「こうや」「りんかん」、空港特急「ラピート」のレギュラーシートに匹敵するレベルです。車両の制御装置やブレーキ方式の関係上、併結できる車両の組み合わせには制限があり、10000系と7100系、12000系と8000系・9000系・8300系などが使用されています。 現在使用されている車両は10000系、12000系（「サザン・プレミアム」）、7100系、8000系、9000系、8300系などです。過去の車両としては7000系があります。

車内設備と乗務員

「サザン」は2名乗務の車掌が乗務しています。自由席と指定席を間違えて乗車した場合でも、乗務員に申し出れば座席間の連結部を通行できますが、自由席利用者が指定席車のトイレを使用することはできません。

歴史

「サザン」の歴史は古く、1899年には和歌山～小松島港間の航路開設に伴い連絡列車が運行されていました。1922年には難波～和歌山市間に急行列車が運行開始され、「浪速号」など様々な愛称が付けられていました。その後、車両の更新や航路の変更、停車駅の変更、愛称の変更、自由席と指定席の割合調整などを経ながら、1985年に「サザン」として運行を開始しました。以降も、車両の更新やダイヤ改正、停車駅の追加など、利用者の利便性向上のため様々な改良が加えられてきました。近年では、泉北高速鉄道との車両交換によるイベントも行われました。

まとめ

南海電鉄特急「サザン」は、快適な車両と便利な運行形態で、大阪と和歌山を短時間で結ぶ重要な役割を担っています。その歴史は、南海電鉄の和歌山方面への輸送の歴史と深く関わっており、今後も進化を続けることが期待されます。 南海フェリーとの連携による四国へのアクセスも魅力です。

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