サザンスコール
『サザンスコール』は、1994年10月3日から10月6日まで、NHK-BS2で放送された
テレビドラマです。全4話が連続でオンエアされ、特に多くの視聴者の関心を集めました。この作品は、BSサスペンスとして知られており、主演は当時デビューしたばかりの葉月里緒菜(現:
葉月里緒奈)と、根津甚八の二人です。物語は、美しい
宮古島を舞台に、幻の赤い
宮古上布を中心に展開します。
概要
ドラマの軸となるのは、下地燿子(葉月)の母親の死に関する謎です。このミステリー要素の中に、異性間の愛がメインテーマとして存在します。燿子は
宮古上布の織り手であり、沖間の弟子という立場ですが、彼女には自殺癖があるという難しい過去を抱えています。葉月はこの役を通じて、複雑で退廃的な感情を表現しており、彼女の演技は視聴者に強い印象を残しました。
ストーリー
ドラマは、
宮古島の歴史と文化が息づく場所を背景に、燿子の人生を描きながら、彼女の母親との関係や、周囲の人々との交わりを通じて進んでいきます。燿子を支える人々、特に彼女の祖母である下地マムヤ(
平良とみ)や、元産洋レーヨンの社員沖間学(
伊武雅刀)との関係が物語の鍵を握っています。音楽や舞踊が織り交ぜられた演出は、視覚的にも聴覚的にも楽しませてくれる要素が詰まっていました。
キャスト
- - 杉野隆三(根津甚八): 産洋レーヨンの社員。
- - 下地燿子(葉月里緒菜): 宮古上布の織り手、沖間の弟子。
- - 下地マムヤ(平良とみ): 燿子の祖母。
- - 下地良江(寺田千穂): 燿子が幼いころに亡くなった母親。
- - 沖間学(伊武雅刀): 宮古上布の工房を営む男。
- - 沖間八重(高橋惠子): 学の妻でデザイナー。
- - 杉野紀子(由紀さおり): 隆三の妻。
- - 杉野和彦(山口達也): 隆三の息子。
その他にも、多彩なキャストが揃い、ストーリーに深みを加えています。特に、シリーズ中に登場するサブキャラクターたちも、物語の伝えるメッセージに重要な役割を果たしています。
サブタイトル
このドラマは、各話にサブタイトルが付けられており、それぞれのエピソードが持つ内容を示唆しています。
- - 第1回: 「赤い夢の謎」
- - 第2回: 「真紅の布」
- - 第3回: 「彷徨う魂」
- - 最終回: 「美ら島の夢」
スタッフ
この作品の脚本は
竹山洋が手掛け、演出は
菅康弘と
西谷真一の二人が担当しました。また、原作は
高樹のぶ子の小説『サザンスコール』に基づいています。音楽は日向敏文が担当し、琉球舞踊や織物に関する指導も専門家によって行われています。
再放送情報
『サザンスコール』は、2006年6月にNHK総合で再放送もされ、多くのファンから再び注目を集めました。そのため、このドラマは単なる過去の作品ではなく、現在でも愛され続ける作品となっています。ストーリーの中に込められた人間ドラマや
宮古島の文化は、多くの視聴者に感動を与えました。