サザン・カンパニー

サザン・カンパニーの概要

アメリカ合衆国アトランタを本拠地とするサザン・カンパニー（The Southern Company）は、電力とガス事業に複数の企業を傘下に持つ持株会社です。ニューヨーク証券取引所に上場しており、米国を代表する公益企業の一つとして知られています。サザン・カンパニーの歴史は、アラバマ州とジョージア州にさかのぼります。

歴史的背景

1883年、ジョージア州で銀行家のハリー・アトキンソンが設立した「ジョージア・エレクトリック・ライト社」が、1927年までに「ジョージアパワー社」となり地域の他の電力事業者を統合しました。この動きは、アラバマ州のジェームズ・ミッチェルが資金を調達して水力発電事業を興したことに連動し、アラバマパワー社という急成長を遂げる企業を生むことになりました。

ミッチェルの後を継いだトム・マーチンは、1924年に「南東部電力および光会社」を設立し、短期間で統合を進めました。持株会社「コモンウェルス・アンド・サザン」への買収後、世界恐慌の影響で経営は厳しい状況に追い込まれます。しかし、第二次世界大戦後の1946年には、サザン・カンパニーが設立され、新たなスタートを切りました。

戦後は、1950年にバーミンガム・エレクトリック社を買収し、水力発電と石炭火力発電の拡張を図ることとなります。石油火力発電への投資が少なかったため、オイルショックの影響をほとんど受けずに成長を続けました。1980年代には環境問題が重要視される中で原子力発電所の建設に着手したが、資金調達に苦しむ状況が続きました。

環境への対応と事業拡大

1992年のエネルギー政策法によって規制が緩和され、サザン・カンパニーは東海岸の発電所買収に乗り出します。しかし、環境保護庁による厳しい環境規制が強化されると、石炭火力発電の削減を余儀なくされました。2016年にはノースカロライナ州のパワーセキュア・インターナショナルを子会社化し、同時にアトランタのAGLリソーシズを買収しました。これにより、アメリカ国内でトップクラスのエネルギー事業者へと成長を遂げています。

現在の事業内容

サザン・カンパニーは、主にアラバマ州とジョージア州に電力とガスを供給しています。さらに、アメリカ本土の各地に発電所やプラントを所有し、その発電量の50%近くを天然ガスによる火力発電が占めています。また、石炭による発電が約30%、原子力発電が15%、再生可能エネルギーが10%以上となっています。

主な子会社には、以下の企業があります：

• - Alabama Power
• - Georgia Power
• - Mississippi Power
• - Southern Power（再生可能エネルギーおよび天然ガスによる発電）
• - Southern Nuclear（原子力発電）
• - AGLResources（ガス事業）など。

結論

サザン・カンパニーはその長い歴史の中で、数回の企業統合と環境への適応を通じてアメリカのエネルギー事業の先頭に立つ存在となりました。将来的にも、多様なエネルギー供給を通じて持続可能な社会に貢献していくことが期待されます。

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