サザン・キングス

サザン・キングス（Southern Kings）

南アフリカ共和国の東ケープ州ポート・エリザベスを拠点に活動していたプロラグビーユニオンチーム。ホームスタジアムは、市内の主要施設であるネルソン・マンデラ・ベイ・スタジアムでした。2009年に設立されたこのチームは、国際的なラグビーリーグへの挑戦を試みましたが、創設からわずか11年後の2020年、深刻な財政問題に直面し、惜しまれつつ解散しました。

チームの成り立ち

サザン・キングスは、南アフリカ国内の主要なラグビー大会であるカリーカップに参加しているイースタン・プロヴィンス・キングスを母体としています。これに加え、近隣地域のボーダー・ブルドッグスやSWDイーグルスといったチームから主要な選手たちを集めて編成されました。これは、東ケープ地域全体のラグビー人材を結集し、南アフリカ国内だけでなく、より高レベルな国際大会で競うためのチームを作り上げるという意図によるものでした。

スーパーラグビーへの挑戦と撤退

創設から数年後の2013シーズン、サザン・キングスはオーストラリア、ニュージーランド、そして南アフリカのトップチームが集う国際リーグ、スーパーラグビーへの参戦を果たしました。これは、本来参加予定であったライオンズが成績不振を理由に一時的に外れたことによる代替措置でした。しかし、キングスにとって初めてのスーパーラグビー挑戦は厳しいものとなり、同シーズンを最下位で終えました。さらに、翌シーズンの出場権をかけて行われたライオンズとのプレーオフでも敗れ、わずか1シーズンでスーパーラグビーから撤退せざるを得ませんでした。

その後、スーパーラグビーが規模を拡大したことに伴い、サザン・キングスは再び国際舞台に挑戦する機会を得ました。2016シーズンおよび2017シーズンに再参戦を果たし、世界の強豪と再び鎬を削りました。しかし、大会の形式変更や規模縮小の流れの中で、2017シーズンをもって再びスーパーラグビーからの撤退が決定しました。

プロ14への移行、そして終焉

スーパーラグビー撤退後、サザン・キングスは活動の場をヨーロッパへと移しました。2017-18シーズンより、主にアイルランド、スコットランド、ウェールズ、イタリアのクラブで構成されるプロ14（現在のユナイテッド・ラグビー・チャンピオンシップの前身）に参加しました。南アフリカからは、同じくスーパーラグビーを撤退したチーターズと共にこのリーグに加わり、新たな国際競争に挑みました。

プロ14での3シーズン目となる2020年、サザン・キングスは運営上の大きな壁にぶつかります。長引く財政難が深刻化し、チームの存続が危ぶまれる事態となりました。そして、2020年8月、シーズン途中でのプロ14からの撤退を余儀なくされ、これに伴いチームは解散することを発表しました。短命ながらも国際舞台での経験を積んだチームの歴史は、幕を閉じました。

成績と主な所属選手

サザン・キングスは、残念ながらスーパーラグビーやプロ14といった主要大会でタイトルを獲得することはありませんでした。スーパーラグビーには2013年（15チーム参加時）、2016年・2017年（18チーム参加時）に参加し、プロ14には2017-18シーズンから2019-20シーズン途中まで参加しました。プロ14は当時14チームが2つのグループに分かれてレギュラーシーズンを戦う形式でした。

チームの歴史を通じて、多くの優れた選手がサザン・キングスでプレーしました。特に挙げられる歴代所属選手には以下のような面々がいます。

ヤコ・エンゲルス
クリュザンダー・ボタ
シェーン・ゲイツ
トーマス・レオナルディ
ヴィンピー・ファンデルヴァルト
ルイ・フーシェ
リニーア・ベルナルド
エスピー・マレー
ルイ・シュラウダー
ジャック・ポトヒエッター
ヨハン・トロンプ
デイヤン・ファンダーウエストハイゼン
ハドリー・パークス
デーヴィッド・ブルブリング
ライオネル・クロニエ
タイラー・ポール
ベンハード・ヤンセ・ヴァン・レンスバーグ
ユルゲン・ヴィサー
マカゾレ・マピンピ
ルカンヨ・アム

彼らはキングスの一員として、国内外の舞台で奮闘しました。

サザン・キングス