サタデーアドベンチャー

サタデーアドベンチャー：1970年代後半から1980年代前半を彩った音楽トーク番組

1977年10月1日から1985年9月28日までの8年間、TOKYO FMをキーステーションにJFN系列で放送されたラジオ番組『サタデーアドベンチャー』。毎週土曜日の午後3時から3時55分までの55分間、音楽とトークが織りなす、当時のリスナーを魅了した番組でした。番組タイトル表記は、放送期間中『サタデー・アドベンチャー』と『サタデイ・アドベンチャー』の両方が用いられていました。

誕生と人気パーソナリティの系譜

『サタデーアドベンチャー』は、日立がスポンサーを務めていた『サウンド・イン・ナウ』の後番組として、AIWAのスポンサー提供のもとスタートしました。8年間という長きに渡り放送された本番組は、個性豊かなパーソナリティが番組を彩りました。

まず、番組開始当初は、作曲家としても有名な小林亜星氏がパーソナリティを務めました。続く1981年3月までは今野雄二氏が担当し、「今野雄二のセレクション・ナンバー」など、独自のコーナーも人気を博しました。

その後、1981年4月から1982年5月までは、当時人気絶頂にあった桑田佳祐氏がバトンを受け継ぎました。桑田氏担当時代には、1981年11月14日放送回でサザンオールスターズとHARABOSEを迎え、スタジオライブを開催するなど、記憶に残るエピソードも数多く生まれました。彼の最後の放送は「サヨナラ佳祐！～僕の音楽感とビートルズ」と題され、リスナーに惜しまれつつ幕を閉じました。その後、桑田佳祐氏は1995年4月からTOKYO FMで『桑田佳祐のやさしい夜遊び』を担当し、現在も人気番組として放送されています。

そして、1982年6月からは松任谷由実氏がパーソナリティに就任。初回放送は「はじめまして、ユーミンです」と題し、当時リリースを控えていたアルバム『PEARL PIERCE』からの楽曲も披露されました。松任谷由実氏は、番組終了後もTOKYO FMで様々な番組を担当し、現在もラジオパーソナリティとして活躍を続けています。

豪華ゲストと記憶に残る放送

『サタデーアドベンチャー』には、数々の著名なミュージシャンがゲスト出演しました。中でも、1983年5月14日と21日の2週に渡り出演したイエロー・マジック・オーケストラ（YMO）の出演は、大きな話題を呼びました。他にも多くのアーティストが出演し、番組を盛り上げました。

番組終了とその後

1985年9月28日、放送時間帯が日曜日へ変更されることに伴い、『サタデーアドベンチャー』は8年間の歴史に幕を閉じました。しかし、各パーソナリティはその後もラジオ界で活躍を続け、番組で培われた経験が、現在のラジオシーンに繋がっていると言えるでしょう。

『サタデーアドベンチャー』は、豪華なパーソナリティ陣とゲスト、そして質の高い音楽とトークで、多くのリスナーに愛されたラジオ番組でした。その8年間の歴史は、日本の音楽史、そしてラジオ史に刻まれた貴重な記録と言えるでしょう。番組が放送されていた時代を知る人々にとって、そして新たな世代にとっても、懐かしく、そして興味深い番組として語り継がれていくことでしょう。

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