サダムパテック

サダムパテック：悲劇のヒーローから種牡馬へ

2008年3月30日生まれの競走馬、サダムパテック。その名は、冠名とスイスの高級時計ブランドから取られた、気品漂う響きを持つ。競走馬としてのキャリアは、華々しい勝利と惜敗の連続、そして幾多のドラマを彩った。

デビューは2010年。2歳時には東京スポーツ杯2歳ステークスを制覇し、重賞初制覇の栄冠を手にした。続く朝日杯フューチュリティステークスでは惜しくも4着に終わったものの、その才能は早くから周囲の注目を集めていた。

3歳になると、弥生賞を制し、クラシック三冠への挑戦権を得る。皐月賞ではオルフェーヴルに敗れ2着、東京優駿（日本ダービー）でもオルフェーヴルに屈し7着と、クラシック戦線では悔しい結果に終わった。菊花賞でもオルフェーヴルに阻まれ5着。その後も鳴尾記念で3着に入るなど、実力馬としての実力を示したものの、三冠制覇という大きな目標には届かなかった。

4歳時には、京王杯スプリングカップで復活勝利を飾る。安田記念、天皇賞（秋）ではやや低迷したものの、迎えたマイルチャンピオンシップで、当時低迷していた武豊騎手とのコンビで、見事GI初制覇を成し遂げた。この勝利は、武豊騎手にとって2年ぶりのGI制覇でもあり、大きな話題を呼んだ。続く香港マイル遠征では6着に終わり、その後も勝利から遠ざかる時期が続く。

5歳、6歳と年齢を重ねる中で、コンスタントに重賞に挑み続け、2014年には中京記念で待望の重賞5勝目を挙げた。しかしその後は勝ち星に恵まれず、2014年12月の阪神カップ11着を最後に競走馬生活に幕を閉じた。

競走馬を引退したサダムパテックは、優駿スタリオンステーションで種牡馬としてのキャリアをスタート。その後、韓国へと輸出され、済州島で種牡馬として活躍した。しかしながら、2022年9月13日、14歳という若さでその生涯を閉じた。

サダムパテックの半妹には、ヴィクトリアマイルを制したジュールポレールがいるなど、その血統には優れた競走馬を輩出する力があった。彼の競走馬としての華麗なる軌跡、そして種牡馬としての短いながらも充実した生涯は、多くの関係者の記憶に深く刻まれている。彼の血脈は、未来へと受け継がれていくであろう。

主な勝ち鞍

東京スポーツ杯2歳ステークス（GIII）
弥生賞（GII）
京王杯スプリングカップ（GII）
マイルチャンピオンシップ（GI）
中京記念（GIII）

血統表

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脚注

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外部リンク

netkeiba.com
スポーツナビ
JBISサーチ
Racing Post
香港賽馬會

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