冠名

冠名（かんむりめい）についての解説

冠名とは、馬主が自己の所有する競走馬に付ける特定の言葉を指し、読まれる際には「かんむりめい」と言いますが、「かんめい」と読むことも一般的です。この言葉は「冠号」とも称され、特に日本の馬主に好まれて用いられていますが、世界の一部でも似たような形式が存在します。

冠名の目的と特徴

一般的に、冠名は馬主が自身の所有馬を他の競走馬と区別するために用いられます。また、競走名に冠名を付けることにより、他馬との名前が重複することを防ぐ役割も果たします。冠名が名前の冒頭に来ることが多いですが、例えば「シチー」という言葉が末尾に付く場合もあり、この点でも様々な形式が見られます。

有力な馬主の中には、冠名を用いない例も多く存在します。例えば、金子真人ホールディングスや社台レースホース、キャロットファーム、サンデーレーシングなどが該当します。ただし、社台レースホースについては1986年まで「ダイナ」という冠名を使用していました。

JRAの規定と冠名の扱い

日本中央競馬会（JRA）の施行規程では、競走馬名に広告目的の名称は使用できないとされていますが、冠名については事実上認められています。一方で、冠名が付く馬は、競走名に功績が顕著でもその名を用いることがよくありません。なぜなら、冠名が馬主の宣伝に該当するためです。しかし、2004年のJRAゴールデンジュビリーキャンペーンでは、過去の名馬が冠名の有無にかかわらず特別競走名に使用されるケースもありました。なお、地方競馬では1997年から2004年まで行われたオグリキャップ記念のように冠名が使用される例もあります。

馬名登録の基準と独占権

日本軽種馬登録協会の馬名登録実施基準では、馬主が冠名だけの馬名を登録申請した場合、認められないこともあります。冠名自体は登録制度には含まれておらず、独占的に使用する権利も存在しません。そのため、同じ冠名を異なる馬主が使用することがあり、複数の馬主が同時期に同じ冠名を名乗るケースが見られます。
また、セイウンワンダーのように、一部で他者の冠名が親の名前の一部として扱われることもあります。似たような血統や得意距離の傾向が見受けられるなど、冠名の共通性から予想に役立つ場合もあるため、井崎脩五郎氏と須田鷹雄氏は「ウマ家」の概念を提唱し、馬券予想に役立てようとしています。

主な冠名について

2024年時点で使用されている冠名のリストや、現在使用されていない冠名、日本以外の国での冠名の使用例もありますが、他国での冠名の使用はあまり一般的ではありません。ただし、日本人馬主が国外の馬に冠名を使用する場面も見受けられます。

このように、冠名は競走馬の名前に特別な意味合いを持たせ、馬主の個性や商業的な側面をも反映させる重要な要素となっています。

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