サッカーアッシリア代表

サッカーアッシリア代表は、アッシリアサッカー協会によって組織される、特別なナショナルチームです。彼らの特徴は、アッシリア人が特定の国を持たない民族であるため、代表メンバーが世界中から集められる点にあります。FIFA（国際サッカー連盟）やAFC（アジアサッカー連盟）には加盟していないため、FIFAワールドカップやアジアカップなどの主要な国際大会には参加資格がありません。

しかし、アッシリア代表は独自の活動を展開しています。2008年には、初の国際試合として第2回VIVAワールドカップに出場し、開催国であり前回優勝国のサーミなどを破り、見事準優勝という輝かしい成績を収めました。

チームの構成についてですが、アッシリア人は世界中に散らばって居住しているものの、代表選手は主にスウェーデンのクラブチームから選出されています。スウェーデンは、アメリカ合衆国に次いでアッシリア人の移民人口が多い国であり、代表チームにとって重要な供給源となっています。その他、ドイツやスイスなどのクラブからも選手が選ばれた実績があります。

アッシリア代表は、単なるサッカーチーム以上の存在意義を持っています。彼らは、国という枠組みを超え、キリスト教という共通の信仰とサッカーへの情熱を通じて、アッシリア人としての絆を深め、団結することをチームの理念としています。

2013年には、新たに設立されたConIFA（独立サッカー連盟）にも加盟し、活動の幅を広げています。2014年に開催されたConIFAワールドフットボール・カップでは、試合を重ねるごとにチームとしての結束力が高まりました。グループリーグでは、クルディスタンに2-1、タミル・イーラムに2-0と連勝し、その勢いのまま決勝トーナメントに進出しました。準々決勝では、オクシタニアとの対戦を0-0（PK戦7-6）で制しましたが、準決勝ではエラン・バニンに1-4で敗れました。しかし、3位決定戦では南オセチアに4-1で勝利し、見事3位入賞を果たしました。

アッシリア代表の活躍は、故郷を離れて暮らすアッシリア人にとって大きな誇りであり、希望の光となっています。彼らの戦いは、サッカーを通じて民族のアイデンティティを確立し、世界にアッシリアの存在を示すものとして、多くの人々に感動を与えています。

※代表選手については、2008年VIVAワールドカップ招集メンバーの情報があります。年齢は大会開幕時点（2008年7月7日）のものです。

もう一度検索