サッカーCIS代表

サッカーCIS代表：幻のチームの軌跡

サッカーCIS代表は、ソビエト連邦の崩壊という激動の時代に、わずか半年間だけ存在した幻のナショナルチームです。本記事では、その誕生の背景、参加国、EURO'92での戦い、そしてその終焉までを詳しく解説します。

誕生の背景

1991年12月、ソビエト連邦が崩壊し、構成国は独立の道を歩み始めました。しかし、サッカーの世界では、UEFA EURO '92の予選をソビエト連邦代表として突破していたため、本大会への出場権を持っていました。そこで、バルト三国（ラトビア、リトアニア、エストニア）を除く旧ソビエト連邦の構成国が参加する臨時チームとして、サッカーCIS代表が結成されました。

1992年1月1日にソビエト連邦サッカー連盟が解散した後、1月11日に独立国家共同体サッカー連盟が結成され、その2日後にはFIFAに加盟。政治的な混乱の中、サッカー界は新たな一歩を踏み出しました。

特徴

CIS代表は、厳密には「CIS（独立国家共同体）代表」とは言い切れない側面がありました。当時、旧ソビエト連邦構成国の一つであったグルジアはCISに加盟していませんでしたが、同国からもカハベル・チャターゼが代表に選出されています。これは、政治的な枠組みにとらわれず、サッカー連盟の名称をそのまま使用した結果と言えるでしょう。

また、アンセムにはソビエト連邦の国歌が使用できず、ベートーヴェンの交響曲第9番が代わりに用いられました。

UEFA EURO '92

CIS代表は、EURO '92に唯一の国際大会として出場しました。初戦のドイツ戦では、イーゴリ・ドブロヴォリスキーのゴールで1-1の引き分け。続くオランダ戦は0-0のスコアレスドローに終わりました。しかし、決勝トーナメント進出をかけたスコットランド戦では0-3と完敗し、グループリーグ敗退となりました。

この大会が、CIS代表にとって最初で最後の国際舞台となりました。大会後、8月にはロシア代表に編入されることが決定し、短い歴史に幕を閉じました。

UEFA EURO '92代表メンバー

監督: アナトリー・ブイショヴェツ

備考: 年齢は、1992年6月10日、UEFA EURO '92開幕時点。
備考: 試合数は、ソビエト連邦代表時代も含む。

その後

CIS代表は短命に終わりましたが、その存在はソビエト連邦崩壊という歴史的な出来事を背景に、サッカー界にも大きな変化が訪れたことを象徴しています。各構成国はその後、それぞれの代表チームを組織し、新たな道を歩み始めました。

関連項目

サッカーソビエト連邦代表（CIS代表の前身チーム）
サッカーロシア代表（CIS代表の後身チーム）

外部リンク

* USSR National Football Team（1992年）（ロシア語）

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