独立国家共同体

独立国家共同体（CIS）

独立国家共同体（どくりつこっかきょうどうたい、英: Commonwealth of Independent States、略称: CIS）は、1991年にソビエト連邦が崩壊した後に成立した国家連合です。本部はベラルーシのミンスクに位置しています。設立の目的は、元ソ連構成国間の協力を促進し、独立後の安定を図ることでした。現在参加している国は、ロシア、ベラルーシ、モルドバ、ウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、アゼルバイジャン、アルメニア、および「準加盟国」であるトルクメニスタンの合計10ヵ国です。

歴史的な背景

CISの設立は、ソビエト連邦の機能不全と弱体化が進む1980年代後半に始まりました。ミハイル・ゴルバチョフが新連邦条約を提案した際、国家非常事態委員会によるクーデターが発生し、結果的にソ連の崩壊を招きました。その後、1991年12月8日にロシア、ウクライナ、ベラルーシの代表が合意し、独立国家共同体の創立が宣言されました。

組織と活動

初期のCISは、各国の経済や軍事に関する問題の調整に苦しみました。特に、旧ソ連内に残された核兵器の管理は重要な課題であり、最終的にロシアが責任を持つことが決定されました。また、ルーブル圏の維持を目指した経済統合もありましたが、実際には破綻し、各国は独自の通貨政策を採用しました。

特に1992年のバルセロナオリンピックでは、旧ソ連の統一チームとして「EUN」が活動しましたが、その後各国が個別に代表団を送るようになり、統一チームは消滅しました。

現状と課題

2023年現在、CISはロシアが中心となりつつも、参加国間の関係は複雑です。特に、ウクライナやジョージアはCISからの脱退を表明しており、CISの求心力は低下しています。加えて、ロシアによるウクライナ侵攻が始まった2022年以降、CIS諸国の多くはロシアとの距離を置く動きを見せています。

まとめ

CISは、ソビエト連邦の崩壊後に形成された国家連合であり、加盟国間の協力を促進する役割を持っていますが、時代と共にその役割や影響力が変化しています。今後の状況を見極めることは、地域の安定や国際関係にとって重要な課題となっています。

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