サッシ

サッシとは

サッシは、窓に用いる枠材を指し、一般的にサッシュとも呼ばれます。また、サッシ窓自体を指す時にもこの名前が使われます。特に英語で「Sash window」と言った場合、一般的に上げ下げ窓、もしくはギロチン窓を指すことが多いです。

サッシはさまざまな材質があり、主要なものにはアルミ製、木製、プラスチック製、複合材料製があります。これらのうちアルミ製のサッシは手頃な価格で利用できる一方で、断熱性が低く、夏は熱が室内にこもり、冬は寒くなります。一方、木製のサッシは優れた断熱性と防露性を持ち、高い評価を受けています。近年の調査によれば、樹脂サッシの普及率は地域によって異なりますが、ヨーロッパでは約70%、韓国では80%に達している一方で、日本では17%と低い数値となっています。

材質の種類

サッシの材質は、昔は木や鋼製が主流でしたが、近年では樹脂が主流となり次いで木製やアルミ製が利用されています。

アルミサッシ

アルミサッシは、アルミニウム合金から製造され、加工が容易であるため広く使われています。2014年のデータによると、日本ではアルミサッシが市場の9割を、中国でも7割を占めています。しかし、アルミは熱伝導率が高く、断熱性能が低いため、エネルギー効率を悪化させる可能性があります。そのため、アメリカの一部州ではアルミサッシの使用が禁止されています。

高度成長期以降、日本では安価で耐腐食性に優れたアルミサッシが普及しました。しかし、冷暖房の効率が悪く、結露が発生しやすいことから、最近では樹脂製や複合素材を利用したサッシがより重視されるようになっています。また、「熱遮断サッシ」と呼ばれる、外枠と内枠の間に樹脂部品を挟み込むことで断熱性を高める技術も開発されていますが、まだ主流には至っていません。

さらに、アルミサッシの融点が低いために、火災時に溶けてガラスが脱落する危険性が指摘されています。2011年頃、国内の防火仕様のアルミサッシの多くが建築基準法を満たしていないことが判明し、多くのメーカーが販売を中止しました。その後、複層ガラスの普及により、木製サッシの需要も再評価されています。木製サッシは、耐火性能、断熱性に優れ、リサイクル性も高いとされています。

樹脂サッシ

樹脂サッシも人気を集めており、国ごとに普及率が異なります。アメリカでは65%、イギリスでは76%、ドイツで64%、韓国で80%とされる中、日本での普及は未だに低く約20%にとどまっています。1976年に初めて発売された樹脂サッシは、北海道を除いては普及が進んでいません。

構造の種類

サッシは一重構造と二重構造のものがあり、使用するガラスによって複層ガラス用、単板ガラス用に分かれます。温度差による結露を防ぐために、樹脂材料を使用した熱遮断構造や、アルミとプラスチック形材を組み合わせたアルミ樹脂複合サッシなどが開発されています。

対して、サッシの省エネルギー性能については、2008年度から省エネ建材等級制度が導入され、熱貫流率が表示されるようになりました。特に、熱貫流率値が2.33 W/m²Kを最高値とした星評価制度が導入されています。製造においては、YKK APや三協立山アルミ、LIXILなどが主な拠点を富山県に置いています。これは、戦前からの水力発電による安価な電力供給が背景にあります。

結論

サッシは、その材質と構造によって住宅の快適性とエネルギー効率に大きな影響を与えます。使用される材料の選択や技術の進化によって、今後も環境に優しい製品がさらに普及することが期待されています。

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